■2007年6月13日 ODA(政府開発援助)特別委員会 |
○大門実紀史君 大門でございます。 十分ですので、簡潔な御答弁をよろしくお願いしたいと思います。 ODAと軍事活動との関係について質問いたします。 先ほどもございましたアフガニスタンでは治安の悪化が続いておりまして、特に南東部ではもう内乱状態と言っていい状況でございますが、そのアフガニスタ ンでNATOのPRTと、地方復興チームが活動をしております。PRT、地方復興チームというのは、重武装した兵士と文民やNGOなどの民間の要員がチー ムを組んで治安活動と復興支援をやるものでございます。軍事行動と支援がセットになっているというものでございます。PRTというのは、実際には米軍に よって、アメリカ軍によって導入されたものですが、今枠組みとしてNATOの中でということになっております。 総理に伺います。 今年一月、NATOの理事会でこのPRTに日本も協力を強化するというふうに演説をされたわけですけれども、それには自衛隊のPRTへの参加ということも含まれているのかどうか、まず伺いたいと思います。 ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 本年一月にNATO本部を訪問したわけでございますが、アフガンの復興支援におきまして日本とNATOが協力をしていくということについての重要性につい て指摘をいたしました。そして、現地で活躍するPRTと連携をしていきたいという考え方について表明をしたわけでございますが、これを受けまして、我が国 がPRTと連携をしながら初等教育、職業訓練、医療、衛生の分野において草の根・人間の安全保障無償資金協力を行う仕組みを構築をいたしまして、そしてそ の第一弾として、リトアニアのPRTと連携をいたしまして識字教育、そしてまた職業訓練の実施が決定をされたということでございまして、一昨日、その署名 式がカブールで行われたわけでございます。 我が国としては、国際社会によるアフガニスタン支援という支援全体の中で我が国にふさわしい役割を果たしていくべきであるという観点から、現在行っているような支援を今後とも継続をしていくことが重要であると考えております。今回行う協力において、PRTに自衛隊を参加させることはございません。 ○大門実紀史君 今は現行法では難しいということですが、一括法とか法改正も含めて、今後PRTに日本が自衛隊を参加させるというふうなことは検討はされていくんでしょう か、それとも今おっしゃったように、もうそれとは別のことだというふうに判断されているのか、お伺いしたいと思います。 ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 現在、この国際平和協力のためのいわゆる一般法の整備については幅広く検討中でございますが、国際平和協力のための多様な取組に機動的に対応して、我が国として的確な協力の推進を図る必要はあると私は認識をしています。 国際平和協力のためのいわゆる一般法の整備でございますが、世界の平和と安定に一層貢献するためにも、国民的な議論の深まりというものを踏まえて検討をしていくべきであると、このように考えております。 ○大門実紀史君 このPRTに自衛隊が参加する点については、国際NGOも日本のNGOもかなり懸念を示されております。このODA特別委員会でも、参考人で来ていただき ました日本国際ボランティアセンターの谷山代表理事もこの委員会の場で懸念を示されました。それは、要するに現地で、アフガニスタンの現地でPRTの活動 を生で見ておられる方々の正に現場から見た懸念でございます。 PRTというのは、そういう建前はいろいろあるんですけれども、例えば、日本のNGOが支援している現地のクリニックにアメリカ軍のPRTが急に来て、 そのクリニックを占拠してしまうと、五台のジープと装甲車で乗り付けて。物資の配給ももちろん行ったんですけれども、薬なんかもうただばらまくと、薬をば らまいてしまうと、もう診療とか何か関係なくですね。そういうことが批判されて、赤十字国際委員会もこれはジュネーブ協定第四条の医療活動の中立性に違反 するということで抗議をしまして、米軍司令部もNGOの医療施設でのPRTの活動をよほどの事態以外は禁止するというふうなことが出たりしています。 とにかく、軍とNGOとの、支援との境が不明瞭になると。したがって、NGOの人たちは政治的中立性ということで身の安全も保障されているわけですが、 PRTがそういう活動をすると、もう一緒くたに見られて身の危険を感じるとか、NGOそのものの中立性も不明瞭になってしまうということで懸念を示されて いるところだと思います。 私は、PRT含めて、人道支援、復興支援といいながら、やはりNGOが危険にさらされないようなことは重々考えていかなきゃいけないと思いますが、総理のお考えを簡潔にお聞かせいただきたいと思います。 ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほども答弁いたしましたように、今回行うPRTとの協力でございますが、今回行う協力においてPRTに自衛隊を参加させるということは考えていないということはもう一度答弁をさせていただきたいと思うわけでありますが。 我が国がアフガニスタンの復興支援を進めていくに当たりまして、今後とも、NGOの方々、現場で活躍をされているNGOの方々の御意見も十分に参考とさせていただきたいと、このように思うわけでございまして、何かをやるということが、何か行為を行うことが目的ではなくて、結果を出していきたいと我々はあくまでも考えているわけでございまして、情報共有等を通じて、NGOを含む援助関係者の当然安全確保にも努めてまいりたいと。 もう一度申し上げますが、NGOの方々の御意見も踏まえていきたいと考えております。 ○大門実紀史君 もう一つは、今回の二十億円は無償資金協力で、これは直接PRTには行かないような工夫をされているというふうに聞きました。 ただ、先ほど総理のお言葉の中にもありましたが、PRTに無償援助の資金をというふうなこともこれから入ってくるとすると、私は、ODAというのは、 OECDの開発援助委員会でODAを定義しております、これは国際的な定義にもなりますが、非軍事分野での援助ということが一つのODAの定義になっております。このPRTというのは、治安維持活動、中央政府の正統性を地方にまで浸透するというような政治目的が絡んでおりますから、そこにODAの資金が、 無償資金援助ですね、入るということは、そもそもODAの非軍事の分野での援助というのに抵触する疑いが出てくるというふうに思いますので、その点も ODAの在り方そのものとのかかわりで検討しながら考えていっていただきたいと思いますが、緒方さんが一生懸命うなずいていただいていますが、総理、最後 にその点をお願いしたいと思います。 ○内閣総理大臣(安倍晋三君) いずれにいたしましても、このアフガンの復興支援について、ODAの使用ということについては、当然ODA大綱にのっとってODAを実施していきたいと考えております。 ○大門実紀史君 終わります。 |
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