■2007年3月27日 財政金融委員会(一般質疑) 多重債務者対策における自治体の役割に関して、自治体職員への研修やマニュアル作成を要求 |
○大門実紀史君 大門でございます。 最初に、多重債務者対策について伺います。 昨日も有識者会議で自治体の相談窓口について議論があったようですけれども、しっかりした方向を出していただきたいと思いますが、以前から議論ありましたけれども、財政的、人員的になかなかそういう取組は難しいという意見もいまだあるようですけれども、先進的な自治体に行って、私も奄美市に行きましたけれども、奄美などの例も含めて先進的な自治体では、特に人が多いとか予算があるからやっているわけではなくって、やっぱり意識の高い職員がおられて進んでいるんだというふうに思います。 端的に私、そういうのを踏まえて二つ提案をしたいと思います。余りそういう、ああだこうだ議論しているよりもやれることから踏み出すのが必要だという点で思いますが、一つは、自治体の職員の研修というのは必ずやっているはずです。その研修のメニューに多重債務問題がいかに重要かということ、あるいは市税や国保税等の滞納ともリンクしているとか、その重要性についてその職員研修のメニューに一つは入れてもらうことですね、必ず知ってもらうということ。二つは、じゃ重要だと分かったと、じゃ何すればいいんだということになりますから、いろんな先進的な例もありますし、最低限やれることもあるわけですから、そういう対応のマニュアルを作って全国の自治体に配付すると。 この二つは、もう別に予算とか人手がないからとか言わなくてもできることではないかと思います。その点では総務省の御協力が非常に重要だと思っていますし、もちろんマニュアル作りとか金融庁のノウハウも生かしながらですけれども、是非この二つのことを積極的にできるだけ早く取り組んでいただきたいと思いますが、総務省、いかがでしょうか。 ○政府参考人(久保信保君) 地方公共団体が住民から多重債務問題の相談を受けました際に、可能な範囲で適切な対応を取るということは重要な課題であると認識をしております。そこで、御指摘にもございましたように、地方公共団体が多重債務問題に関して研修などを通じて職員への意識啓発を行いましたり、あるいは対応マニュアルを備え付けるといったようなこと、これは有効な手段になり得るものと私ども考えております。 御案内のように、政府の多重債務者対策本部には総務大臣もメンバーとして参加しておりますので、金融庁とも連携しながら、地方公共団体への呼び掛けあるいは情報提供といったことに関して、私ども総務省としても最大限の努力をしてまいりたいと考えております。 ○大門実紀史君 是非よろしくお願いいたします。 やみ金対策も今急がれていますけれども、私、この問題にずっと何年も前から取り組んできて、重要なのは、まず口座を凍結するということがいかに大事かということを感じていますが、現在進行中の事件で指摘をしたいと思います。 岩手県の一関市の方がやみ金融にこの一、二か月で百五十四万円も取られたという事件です。これはやみ金融というよりも振り込め詐欺ですか、振り込め詐欺によく似た手口で、お金を貸してほしければ、その前に入会金とかカード保険とか何かの手数料を先に払い込みなさいと、それで次々と一か月で百五十四万も振り込まされたという事例でございます。業者は東京のオリエントフィナンシャルということで、既に警察庁の方にお願いして捜査に入っていただいておりますので、できるだけ早く逮捕してほしいと思います。 問題は、捜査をしていただくこととか金融庁がいろいろホームページでやみ金業者を公表してもらうのも重要なんですけれども、お金を取られないという意味では口座をできるだけ早く凍結するということが非常に重要なんですけれども、この問題でいきますと、この一関の方が最初にこのオリエント、やみ金業者ですけど、ダイレクトメールをもらった、来たのが一月の中旬です。一月末にさっき言ったいろんなものを振り込みなさいと言われて、一月の末から二月の末、一か月で百五十四万円も取られています。 実は、警察には一月の二十二日に、これはほかのところからですけれども被害届が出始めて、十件近くもうずっと出てきていたと。ですから、その時点で早く口座を押さえて凍結していれば、この少なくとも一関の方は、凍結されたら振り込みようがありませんから、そこで気が付いて取られなかったということになります。 二月の二十一日には、金融庁がホームページで、これはやみ金業者だということを公表しています。この時点でもし金融庁が、恐らくやみ金業者として公表するには口座等の情報もあったと思うんですけれども、それを更に確認してもらって口座凍結の要請を金融機関にしていただいていれば、百五十四万も取られることはなかったと。例えば二月二十一日、ホームページに金融庁が公表した後、二月二十八日末までに八十五万も取られています。早く凍結していれば取られなかったというふうに思います。 実際には、二月二十八日に城南信金の銀座支店に振り込めと言われて、振り込もうとしたらその口座が凍結されていたので初めておかしいと思って警察に、一関署に相談に行って、これはやみ金だということを初めて気が付いたということでございます。ちなみに、この城南信金は自主的な判断で、警察庁とか金融庁の要請じゃなくて自主的な判断でおかしいと思って凍結をしてくれたという流れになります。 申し上げたいことは、まず警察庁にお聞きいたしますが、一月二十二日からもう被害届が出ていたなら、なぜ口座凍結の要請をしなかったのかと、その点をお聞きしたいと思います。 ○政府参考人(縄田修君) 今回の事案といいますか、一連の事件につきましては、委員御指摘のとおり、当庁といたしましては各都道府県から被害の状況について報告を求めております。一月の下旬から九件、他の都道府県でも被害がございました。これにつきましては、各都道府県警察においては、当庁に報告すると同時といいますか、直ちに金融の口座の凍結につきましては依頼をいたしております。 それから、この岩手の事案につきましては、御案内のとおり三月一日に私どもの方に御相談がございまして、その時点では金融の口座名とか口座の状況等が全くの手ぶらの状態でございまして、七日の日に打合せをして、詳細資料を持ってきていただいて確認した以後、直ちに口座を凍結する。この岩手の事案につきましては他にも余罪がございまして、それについて確認し次第、ほかの口座、全部で七口座ございましたけれども、凍結依頼をいたしたところでございます。 ○大門実紀史君 今は対応してもらっているということですけど、金融庁は二月の二十一日にホームページで、この業者オリエントフィナンシャルはやみ金だと、違法業者だと公表されました。この時点で金融庁が口座の凍結に動いていただければ、少なくともこの被害者、八十何万も取られなかったと思うんですが、これは金融庁として動かれたんでしょうか。 ○政府参考人(佐藤隆文君) 御指摘いただきましたように、二月二十一日でございますけれども、このオリエントフィナンシャルという業者につきまして、登録詐称ということで確認ができたわけでございまして、その日にホームページに公表を行い、関東財務局から同社に対して警告を発すると同時に、管内の警察本部等に無登録業者の情報として連絡をしたということでございます。 一般論として、金融機関におきましては、預金口座の不正利用と思われる情報があった場合には、調査を行い、必要に応じて預金取引停止あるいは預金口座の解約等の適切な対応を図っていただくことになっております。これは、平成十五年九月に私どもの事務ガイドライン、現在は監督指針と呼んでおりますけれども、これでそのような対応をするということを定めておりまして、それに沿った対応をしていただいているということでございます。 引き続き、金融機関及び警察当局への情報提供の取組ということを推進していきたいと思っております。 ○大門実紀史君 警察庁はもう一般論じゃなくて具体的に答えていただいているんですから、そういう一般論はもうやめてもらいたいと思います。 昨日、私も六口座、ほかの六口座をつかみましたので、金融庁に、金融庁の方からも口座凍結を要請をいたしましたので、これは警察庁はもう動いてもらっているということですから、金融庁もやってもらいたいと思います。 実は、三月二十日にもこのオリエントフィナンシャルはダイレクトメールを大量に発行しております。したがって、ほかにも今被害者が、この時間、この時点でもたくさん出ているということですので、金融庁も至急対応していただきたいと。 申し上げたいことは、警察が捜査をしていただくのはもう結構で当たり前でございますし、お願いしたいし、金融庁もこういうホームページで公表するのも迅速にやってもらいたいと。ただ、本人は取られたお金なかなか戻りません、やみ金だと。ですから、口座の凍結を早くしてあげないと被害者の被害額は増えるわけですね。その点で、口座の凍結についてもっと敏感に対応してもらわないと、今現在だってどんどん被害者が増えているという点で、教訓にしていただきたいという点でよろしくお願いしたいと思います。大臣、一言いかがでしょうか。 ○国務大臣(山本有二君) できる限り迅速に対応していきたいというように思います。 ○大門実紀史君 この口座凍結に絡んで新しい手法が今始まっていますので、指摘をして、研究をしてもらいたいと思います。 お手元に図解でお配りをいたしました。これは出会い系サイトがやみ金取立てと一緒くたになっているような事例ですが、お金の仕組みがなかなかこれだと、すぐ先ほど言った口座凍結がしにくいような仕組みになっています。 どういうことかといいますと、出会い系サイトで、これは別にアダルト系とかじゃなく、普通の若い女の子とか男の子がメル友を探して普通のメールをやり取りするわけですけども、それがどんどん、ポイント制でなってまして、相手とやり取りするためどんどんお金を使ってしまうという仕組みになっています。一週間で五万円ぐらい取られるような仕組みです。で、代金の請求が来ます。その場合に、銀行口座に振り込んでくれということじゃなくて、コンビニ支払となります。これは携帯電話で受付番号が届きまして、そこにコンビニへ行って払ってくれとなります。コンビニ、例えばこのケースは、この相談を受けたケースはセブンイレブンですが、そこのセブンイレブンのレジに番号をただメモして持っていくと。店員さんに渡すと、店員さんがレジでお金を受け取ってくれて領収書発行してくれると。それがセブンイレブンの店舗でいくとセブンイレブンセンターに送られます。更にややこしいんですけども、電子マネー業者というのが間に入ってきます。ゲームチェックという会社です。そこからその出会い系サイトに振り込まれるという形です。 これだけだと出会い系サイト使ってお金を払い込むだけですが、先ほど言いました使用料金が大変高い。思わず使ってしまうという中で、滞納者が出ます。そのときに、この出会い系サイトはもうやみ金に様変わりするわけですね。滞納者に違法の取立て、大体利用金額の十倍以上の取立てをやります。払わないと簡易裁判所に訴えて、社会的にまずいよとか仕事先に電話をしたりします。同時に、携帯に広告が載ってきます。即日お金貸しますよと。これがモビットとか三和ファイナンスもありますが、訳の分からないやみ金的な広告も一緒に出てくると。これで今被害者が出始めております。 実は、このアイニティプランニング、フィットウェブというのは、経済産業省、私はこの問題三月初めから追い掛けてきましたけども、今月の二十二日に特定商取法違反で業務停止を受けております。その理由は、表示義務違反と誇大広告というような理由で業務停止半年と三か月。この二つ名前ありますけど、これは別々の会社にしていますが、同じ場所でやっている会社です。それが業務停止を受けておりますが。 私は、もう誇大広告と何かじゃなくて、そんな甘い話じゃないということでずっとこの業者を追い掛けてきましたけども、経済産業省はこういう悪質な取立てをやっていることをつかんでおられるでしょうか。 ○政府参考人(松井英生君) お答えいたします。 今、先生御指摘の株式会社フィットウェブと有限会社アイニティプランニングは、先生御指摘のように、いわゆる出会い系サイトにおきまして表示義務違反や誇大広告を行うなど特定商取法違反を行っておりました。これ、表示義務違反というのは、サイトに住所、電話番号、責任者名などを表示していなかったとか、あるいは広告メールの件名の最前部に未承諾広告米印というような法律上の義務を表示しなかったとか、それから誇大広告につきましては、実際には有償サイトへ誘引することを目的としたものであるにもかかわらず、広告を行っているサイトに完全無料というふうに表示をしておりました。 それから、会員が一万六千人程度であるにもかかわらず、広告を行っているサイトで会員数五十万人突破というふうに表示をしておりました。このため、先生御案内のとおり、経済産業省は三月二十二日に、株式会社フィットウェブに対して三か月間、それから有限会社アイニティプランニングに対しまして六か月間の通信販売の業務を停止するように命じました。 この過程におきましては様々な苦情等々が寄せられておりまして、この会社がいわゆる出会い系サイトにおきまして問題があるということを把握しておりました関係上、このような立入調査を行いまして、事実を確認して処分を行ったわけでございます。 今後とも、消費者保護の観点から悪質な業者に対しましては厳正に対処をしてまいりたいと、こういうふうに思っております。 ○大門実紀史君 いや、私が聞いているのはその処分の内容じゃなくて、処分の理由以外に、違法取立て、これをやったことを経産省はつかんでおられますかと、それだけ答えてくれますか。 ○政府参考人(松井英生君) お答えいたします。 違法取立てを行っていたという事実については、我々は把握しておりません。 ○大門実紀史君 そうすると、これは警察の仕事になりますか、違法取立てとなると。これは特定商取法、経産省のではなくて警察の方の話になるでしょうか。 ○政府参考人(縄田修君) その取立て行為自体が、例えば生命、身体、財産に被害を加えるような目的でと、まあこれは恐喝とかあるいは脅迫行為があるとかということになれば個別の事案を切り取って刑事事件としてなり得る場合があるかもしれませんし、別途、やみ金といいますか無登録の金融業者等が介在してくれば、そういった事案が発生するということになればそういう事案をとらえて対応していくと、こういうことになろうかと、こういうふうに思います。 ○大門実紀史君 取りあえず、経産省が処分されたそういう経産省の対象業者ですから、そういう違法取立ての苦情も来ていると私は思うんですが、事案、もし御存じでなければこちらでお示しいたしますので、取りあえず特定商取法で処分した相手ですから、そういう事実関係も確認をしていただきたいと思いますが、いかがですか、経産省。 ○政府参考人(松井英生君) この二社について確認をしろと、こういうことでございますか。 分かりました。調査してみます。 ○大門実紀史君 私は、この事例は個別の案件で追い掛けてきたんですが、驚いたのは、先ほどから言っているやみ金の口座を押さえるという点でいくと、こういうスタイルをやみ金が取り始めると非常にこの口座の凍結が困難になるなと、難しくなるなと思うわけです。出てきません。利用者は払うのはコンビニです。受付番号ですね。利用者が被害届出しても口座が分かりません。振り込んだのはもうコンビニで、インターネット支払やっただけだと。で、結局、セブンイレブンのセンターから、しかも電子マネー業者というのが入ると、これまた大変ややこしい世界です。そこから送金されるのが、相手の銀行口座がやっと出てくるというふうになると思います。 これから私は、やみ金はもう口座凍結というのが彼らも一番恐れておりますから、こういう仕組み、コンビニのインターネット支払を使って、電子マネーを使って最終的に口座に入れると、こういう手法がかなり、今ももう既に始まっていますけれども、拡大すると思っております。これを是非研究してほしいなというふうに思いますけれども、警察庁と金融庁に、こういう新しい手法について研究してほしいと思いますが、それぞれどういうふうにお考えか、聞きたいと思います。 ○政府参考人(縄田修君) 現在、私どもで承知しておる限りでは、第三者あるいは架空名義の口座への振り込みとかあるいは私書箱ですね、使ったもので代金をやり取りしているという形でございますけれども、委員の御指摘のとおり、こういう形の手法を取り得るといいますか、当然取り得るわけで、委員がおっしゃられたように、正に犯罪者がこれを悪用していくといいますか、こういうことも大いに考えられることでありまして、私どもといたしましても実態につきましては十分研究をし、かつ各県からの報告も気を付けながらよく見て指導してまいりたいと、こういうふうに思います。 ○政府参考人(佐藤隆文君) ただいま御指摘いただきましたコンビニエンスストアを経由して送金するスキームでございますけれども、この現状の枠組みの下では、この当該業者の銀行口座を把握して当局から情報提供するということには難しい面があると。 その理由といたしましては、被害者から当庁が被害通報を受けましても、被害者自身が不正請求等に係る業者の銀行口座を把握していない、それから当該業者の銀行口座を把握しているコンビニエンスストアないしそのセンターにつきましては、金融庁の監督権限が及ばないという面がございます。 そこで、私どもとして現在取り組んでいることを一つ申し上げたいと思いますが、これは先般、三月十三日でございますが、マネロン対策の強化ということで監督指針の改正を行いました。その中で、金融サービスの乱用事案における銀行内の適切な報告あるいは対応のための体制整備が行われているかどうかといった着眼点を入れておりますし、さらに取引の態様あるいは顧客の属性に照らして疑わしい取引を検出し監視し分析するような、そういう体制の整備が非常に重要であると、こういうことを書き込みました。 御案内のとおり、非対面取引におきましては、正常な取引と不適切な取引をどのように区別するか、これは金融機関にとっても実務上なかなか難しい面があろうかと思いますけれども、金融機関におきましては、今申し上げました監督指針上の着眼点を踏まえたリスク管理の高度化の一環として、不適切な取引の洗い出し、これを高度化していくという、こういう取組をしていってもらいたいというふうに期待をしているところでございます。 金融庁といたしましても、金融機関あるいは警察当局と連携をして、この預金口座の不正利用の防止に引き続き取り組むということとともに、上記の監督指針に沿って金融機関の取組状況を注視し、必要に応じて適切な監督ができるように検討してまいりたいと思っております。 ○大門実紀史君 とにかく、やみ金違法業者は次々新手で、新しい手口でやってまいりますし、こうなるともう経済産業省も是非この問題に御協力をいただきたいと思います。とにかく機敏な対応をお願いして、質問を終わります。ありがとうございました。 |
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