■2006年12月7日 財政金融委員会(貸金業規制法改正案質疑) 過剰貸付禁止の例外規定から居住用財産を排除せよ |
(午前・対政府質疑) ○大門実紀史君 大門でございます。 今日で十一回目の質問になります。今日は時間が短いんで、端的にお聞きしますんで端的にお答えください。特に、三國谷さん、よろしくお願いしたいと思います。 過剰貸付けの抑制、総量規制の導入という点で、年収の三分の一を超えてはいけないとありますが、内閣府令で売却可能な資産がある場合は除くというふうになっておりますけれども、この部分が大変心配でございます。これは担保を取るという意味ではないというふうに金融庁から聞いておりますが、そのとおりでよろしいでしょうか。 ○政府参考人(三國谷勝範君) 年収の三分の一基準につきまして、その具体的な内容につきましては、まず今後どういった場合に借り手の返済能力が定型的に認められ、健全な資金ニーズと認められるか、これはまず借入れの実態等を十分に踏まえながら、多重債務の発生防止の趣旨を没却しないようこれは慎重に検討していく、これが一般的な考え方でございます。 御指摘のいわゆるおまとめローンのように、借り手の給与等の範囲内では返済できず担保としては住居の売却により返済させることを目的としているような貸付けにつきましては、年収等の三分の一基準の例外とすることは想定しておりません。 ○大門実紀史君 私、まだおまとめローンまで聞いてないんですけれども、要するに担保ということは考えてないということでよろしいわけですね。 私、そもそもこの規定、おかしいなと思いますけれども、何なんですかね、これね。世の中の取引で、お金を貸すときは無担保か担保を取るかあるいは保証人でございます。担保にもしない、何ですか、これは。そうすると、売却の可能な資産があるということを態度で示すわけですか、そうしたら貸していいということですか。こんな取引、この世の中にありますか、ないですよね。だから、そういうことはあり得ないんです。 実際に何が起こるかといいますと、一つは実際に担保を取ると、車が売れますと、宝石売れますと、あるいは家も売れますと、そういう担保を取るか、そうでなければ紙切れ一枚ですね、サラ金が、私これいざとなら売る用意がありますと紙切れに書かせると、意思を書かせると。これおととい取り上げた武富士の過剰融資の年収をごまかしたのと同じ仕組みですよね。本人がそういうこと書けばどんどん貸せると、こういうことになってしまうわけですね。そのどちらかしかないんですよ。 だから、こんな規定はもう取られた方がいいと。内閣府令に書くと言いますけれども、書きようがないんじゃないですか、これ。書きようがないと思いますよ、実際。もう書けるものなら書いてもらいたいですけれども、これもう大変な問題になると思いますし、大体この法案の変なところ、この概要の説明の中に米印で小さく申し訳なさそうに書いてあるわけですよ、内閣府令で除く予定と。だれがこんなこと考えたんですか。だれがこんなものを入れろと言ったんですか。大臣、これはもうはっきりと、こんな取引はあり得ませんから、この世の中に、これはもう除いた方がいいですよ、これ。この薄い字で書いてあるところ、取っちゃえばいいと思いますけれども、いかがですか。 ○国務大臣(山本有二君) これを一概に全部除くことという大門委員の御指摘は、一つの再び更に自宅等についての売却を強制することにもつながるというような新たな被害の分類の一場面を想定して、それを未然に防げということも、私も十分おっしゃる意味は理解しております。 ただ、逆に、さらに自立するときに、自宅についてもう一段銀行が理解を示してそれではといって低金利で自立支援の、例えばNPOの金融機関からお金を借りて、そのときにはもうほとんどゼロ金利に近い形で、その代わりこうした担保を差し入れるということで言わば与信余力を示すというような健全な借入れということを考えたときに、全部返さないということであれば別ですけれども、ある程度元本は返すという、あるいは相応の金利は返すという考え方の下に、健全な自立を図る意味というように考えたときには、私はなお機能する場面があるのではないかというように考えておるんです。 ○大門実紀史君 大臣、もう法案を勘違いしないでくださいよ。大臣おっしゃったのは、多重債務者の最後の整理の話ですね。これはそうじゃないんですよ。これから貸し付けるときの総量規制なんですよ。だから、多重債務者の話じゃないんです。これから貸すときに、貸すときに売却資産あればいいですよみたいなことをやったら、私が申し上げた二つのケースしかあり得ないんですよ、この世の中の経済取引契約にはね。そうなってしまいますよということを申し上げているわけです。だから、よく法案を理解してもらいたいと思います。 その上で申し上げますけれども、少なくとも、少なくとも、どうしても、これ、だれがこんなばかな、どの議員が言ったか知りませんけど、こんなもの入れて、情けない。欠陥ですよ、これ。取った方がいいですよ、身のためですよ、本当に。 どうしても入れるとしたら、仮にもこの法案の趣旨は、私取り上げましたけれども、CFJとアイフルの不動産担保ローンのキャッチボール取り上げましたね。今金融庁でそれ当たってもらっているということで、それは評価していますけれども、そういう不動産担保ローン、すなわち居住用財産を略奪的に取り上げると、アメリカでは禁止されておりますけれども、それには決してこれはつながらないと、遮断をするということだけは、どうしても内閣府令で書くならば、それだけは入れてもらいたいと思いますが、いかがですか。 ○政府参考人(三國谷勝範君) まず、三分の一規制とこの例外の関係でございますけれども、三分の一は一律の規制でございますので、それぞれの買手の事情によりまして、返済能力があれば、そういったものが類型的に認められるのであれば、その実情に応じた対策を講じるということでございます。具体的には、有価証券を持っている場合とか、あるいは担保に供しているか否かにかかわらず既に売却を予定している資産等があれば、こういったものの類型化の中に入り得るということで想定しているものでございます。 ただ、この実際の運用に当たりましては、そういった潜脱にならないように十分意を用いてまいりたいと思っております。 ○大門実紀史君 もう三國谷さん、いいです。 大臣、ちょっと判断してもらいたいんですけれども、居住用財産を除くと、これは最低限、最低限内閣府令に私は入れるべきだと思います。なぜならば、居住用財産というのは、税法の用い方も日本の法律の用い方も生活のための拠点ですね、売却を予定していない、住み続けることが前提で税法でもいろんな法律でも居住用財産ということが定義付けられております。その用語からいって、居住用財産を除くと。 ただし、もし私が内閣府令でどうしても書けと言われたら、居住用財産はまず除くと、ただし、今言われたような、僕はあり得ないと思いますけれども、そんなケースないと思いますが、もう既に譲渡契約を結んで、おっしゃられたのはつなぎのときに必要になるんじゃないかと、そういうケースもあるんじゃないかということでしたら、そういうケースだけを限定的に、逆に言えば居住用財産を除くと、そういうつなぎのようなケースだけこれには該当しないというふうに明確にしないと、私が申し上げている指摘は起こりますよ、実際に。せっかくこうやって、もう三國谷さんいいから、大臣の判断を聞きたい。 ○国務大臣(山本有二君) 居住用財産を除く、その居住形態もあるかもしれません。おっしゃる意味は、こうした三分の一を潜脱的かつまた居住用財産について強制的に処分させて、いわゆる略奪的な貸付けというものが起こるだろうというような予測をこれを完全に排除しろということは理解するんですけれども、先ほどの三國谷局長の言われたつなぎあるいは年齢に応じたライフステージごとの居住の多様性によって、小さいところへ住むだとかというような特別な事情、そういったこともあながち否定できない今日にありましては、やはりそこは、これからの書き方にもよりますけれども、できるだけ精緻な内閣府令の書きぶりにして、そうした新たな被害を起こさないという覚悟で取り組んでいくということが大事だろうというように思っております。 ○大門実紀史君 時間になりましたので今日は終わりますが、次回、この問題更に大事な問題なんで詰めたいと思います。 ありがとうございました。 ○委員長(家西悟君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩といたします。 正午休憩 |
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