国会質問

● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi  ● ● ● ●


■2006年5月8日 行政改革特別委員会(一般)
             銀行頭取時に金融被害、日本郵政西川社長の責任追及
○大門実紀史君 大門でございます。
 今日は、今回の行革推進法の眼目であります官から民について、そもそも何なのかということも含めて質問をしたいと思いますけれども、この間の耐震偽装事件あるいはライブドア問題を見ても、もうかれば何でもありと、いわゆる利益至上主義に陥って社会的役割とかコンプライアンスがおろそかになるという事件が相次いでいるわけですけれども、官から民を考える上でも、重要なことは、民営化された後、そういう利益至上主義に陥ることなく、公的な役割も含めて、コンプライアンスも含めてきちっとされるのかどうかということも問われているというふうに思います。そういう点で、小泉内閣の官から民が本当にそこまで留意している官から民営論なのかも問われていると。
 そういう点で試金石になるのが、官から民の最大事業と言われました郵政事業の民営化の今後の方向、とりわけ今焦点になっております日本郵政の社長であります西川さん、つまり三井住友の前頭取の責任の取り方あるいは政府のその問題に対する対処の仕方、これが今後の官から民についての一つの大きなどうなっていくかという目安になるというふうに思います。そういう点で、まずこの問題から質問をしたいというふうに思うわけですけれども、最初に与謝野大臣にお伺いをいたします。
 金融庁は四月の二十七日に三井住友銀行に対して厳しい業務停止命令を下されました。これは独禁法違反、いわゆる優越的地位の濫用ということで、これ、銀行としては、これで業務停止命令というのは初めてだと思います。要するに三井住友は、融資先の中小企業の借り手の弱みに付け込んで金利スワップ商品を売り付けたということでございまして、大体、低金利、デフレのときに金利スワップを売られて得することはほとんどないわけですけれども、専門家がそれを承知で余りよく知らない中小企業の社長さんたちに売り付けたということで、手数料稼ぎに走ったというふうに言わざるを得ないわけですけれども、これは十二月に公正取引委員会からも摘発を受けたわけでございます。
 我が党も独自にこの問題は前から調査をして、私、委員会で何度も取り上げてきたところで、極めて悪質な手口がいろいろあります。今日は余り細かく触れませんが、また当該委員会でやりたいと思いますけれども。ということで、今回の大変厳正な処分を金融庁がされたということには、この問題に取り組んできた者として敬意を表したいというふうに思います。
 そこで、与謝野大臣にお聞きしたいんですけれども、この問題は現経営陣ではなくて、前経営陣のときに起きた問題でございます。すなわち、西川前頭取のときに行われた不正行為でございますけれども、金融庁の今回の命令の中でもこういうふうに書いています。問題事案発生時における役職員の責任の所在も明確にしなさいと、こういう命令を今三井住友は受けているわけでございます。
 当然、当該直接の関係ある当時の経営陣の責任が追及されるのは私は当然のことだというふうに思いますし、金融庁もここまできちっと出されたなというふうに思って評価しているところでございますけれども、この点について、与謝野大臣が言われたかつての大銀行がという点でいきますと、私は大変残念な事件だと思いますけれども、この当時の経営陣の責任という点について与謝野大臣の所見を伺いたいと思います。

○国務大臣(与謝野馨君) 今回の独占禁止法上問題となった優越的地位の濫用については、これまでも公正取引委員会がいろいろ処分をしております。
 金融庁が行いました今回の処分においては、同行に対する問題事案発生時の役職員を含め責任の所在の明確化を求めているところであり、今後、役員の関与状況に応じ、同行において具体的な検討がなされるものと承知をしております。
 なお、本件に関しては同行側からも、経営として真摯な反省が必要と認識しており、問題の原因となった役職員の責任の所在を明確化の上、厳正な行内処分を実施するとのプレスリリースが出されていると承知をしております。
 また、他の金融機関においてもこのような事案が再発しないよう、既に全預金取扱金融機関に対し自主点検を要請するなど、金融庁として独占禁止法を遵守した適切な業務運営体制の確立について引き続き徹底を図っていく所存でございます。

○大門実紀史君 ありがとうございます。
 西川さんに来ていただきました。先ほど言いました、我が党はこの問題、前から現場を歩いて調査をしてまいりましたけれども、大変生々しいいろんな事実をつかんでおりますが、例えば中小企業の社長が、想定元本、最初は二億円の期間五年で年間三百万円の支払と、これが後で融資に併せてどんどんどんどん買わされて、四本の契約をさせられた方の例があります。支払がもう高過ぎるということで解約をされました。ところが、その解約金が二千九百万と。それまでに払ったのと合わせると五千万円も三井住友に取られたという事例があります。
 この方はまだ解約するだけの勇気があったんですけれども、多くの方は、解約金が高くて、そんなこととは分からなくて、解約しようと思って聞いたら解約金が高くてもう解約するにもできないと、あきらめると、こういう仕組みになっておりますし、もう支払は拒否すると、こんなものと思ってなかったと、支払を拒否した場合は担保に取っている物件を清算処分に入ると、こんなことを言われてあきらめたり、今でもこの解約できない、泣き寝入りされている方はたくさんおられるわけでございます。
 こういう被害者の方々に、西川さん、当時の責任者、最高責任者として何か言葉はございませんか。

○参考人(西川善文君) お答えいたします。
 このデリバティブ取引は、この問題になっておりますデリバティブ取引は、金利リスクをヘッジするためのものでございます。(発言する者あり)私、取引の詳細について存じておりませんので、ここで明言させていただくことは差し控えますが、銀行の方で真摯に対応するというふうに承知をいたしております。

○大門実紀史君 被害者の方々に当時の最高責任者として言うことは何もないんですかと、それを聞いているわけです。あなたの言葉を聞いているわけです。

○参考人(西川善文君) お答えいたします。
 この事態につきましては、私は大変残念なことだというふうに思っております。そしてまた、大変深刻な事態であるというふうに認識をいたしております。大変遺憾に存じておるところでございます。

○大門実紀史君 じゃ、ちょっと事実関係幾つかお聞きしてからまた言葉をもらいたいと思うんですけれども、あなたは今おっしゃったように、今まで責任問われて、つまりコンプライアンスについては責任者を設けてやっていたと、やっていたつもりだと。しかし、結果的にそうならなかったという指摘で行政処分ですね。もう一つは、いわゆる抱き合わせ販売、金利スワップと融資と、そういう一緒にやれという指導もしていたとは知らなかったと、覚えはないというふうなことを言われています。
 ただ、今回の事件は二〇〇一年から二〇〇三年の三年間です。三年間にわたって行われた不正行為でございますけれども、何も知らなかったんですか。何も気が付きもしなかったんですか。その点どうですか。

○参考人(西川善文君) お答えいたします。
 誠に残念ながら、私の耳には一切入っておりません。私は、クレームがある場合は、私に直接寄せられるクレームもあるわけでございます。それに対しては一々真摯に対応してきたつもりでございます。本件、残念ながら私の耳に入らなかったということでございます。

○大門実紀史君 知らなかったとしたら、竹中さんが言うように本当に経営者として有能なのかどうか、私は疑うところでございますけれども。
 ただ、幾ら知らないといっても最終責任はあなたにあったわけです。あなたにあるわけです、今でも。知らないだけでは被害者の方は納得しないというふうに思いますし、三井住友には二百億近い損害を与えるんじゃないかと言われておりますし、被害者の方々は裁判、訴訟も今考えておられるところでございます。
 で、指摘したいのは金融庁の今回の行政処分の中身ですね、ここに明確に言われていることがあります。これは、コンプライアンスよりも利益至上主義、利益を優先する、現場にも過度なノルマを与えるというふうな、そういうあなたが号令を掛けられた、利益を取れと、これが明確にバックグラウンドにあったということは金融庁も指摘しているし、三井住友の社内調査でも分析しているわけです。
 この責任者は紛れもなくあなただったわけですね。そういう最終責任、結果責任についていかが思われますか。

○参考人(西川善文君) お答えします。
 もちろん、民間銀行でございますから収益の追求ということは欠かせないことでございますけれども、それはあくまでもコンプライアンスを遵守していくということが大前提の話でございまして、利益を優先させると、コンプライアンスよりも利益を優先させるというような指導でありますとか指示とか、そういったことは一切行っておりません。
 以上です。

○大門実紀史君 私は今日、西川さん、何らかの責任を取ることを今検討しているとでもおっしゃるのかと思っていましたけれども、そうすると一切自分には責任がないというお立場ですか。

○参考人(西川善文君) お答えいたします。
 先ほど来申し上げておりますように、私は大変この事態、遺憾に存じております。そして、銀行においても真摯な対応をしていくと、お客様に対しても真摯に対応していくということを明言しておるわけでございますし、私の方ももちろん誠心誠意、必要な事柄については対応をしてまいりたいというふうに考えております。

○大門実紀史君 そうすると、具体的には今、三井住友の中であなたの役員報酬を返還してもらうと、さかのぼって返還してもらうということが検討されていますが、そういう具体的なものが三井住友から出ればお受けになるということですか。

○参考人(西川善文君) お答えいたします。
 具体的なものが出てまいりますればそれに従うということでございます。

○大門実紀史君 私はこの問題、そういうことで済まされるのかどうか。
 私、明治安田生命の保険金不払も取り上げてまいりました。結果が出ました。金融庁が頑張られてきちっとした処分をされました。社長は辞任をされて、生命保険協会の会長に内定をしていたのも退かれました。この間の大手銀行の不祥事で、経営トップがちゃんと辞任をしてけじめを付けております。
 あなたの場合は、たまたま今、後でばれちゃったといいますか、後から分かっただけのことで、今もし三井住友の頭取でしたら当然辞任されるはずだと。辞任されていたら、日本郵政の社長に小泉総理とか竹中さんから推されることはなかったし、取締役会でもそんなの通るわけがなかったと思います。
 後から分かっただけの話で、あなたはふさわしくないというのは当然だと。後からばれたというだけのことじゃないですか。ふさわしくないんじゃないですか。ですから、自ら潔く日本郵政の社長も私は辞任されるべきだと思いますが、いかがですか。

○参考人(西川善文君) お答えいたします。
 日本郵政の社長に任命されまして大変重要な任務を負ったわけでございますから、私は、この任務を私のこれまでの経験、知識等を生かしながら最大限に努力をいたしまして、この任務を果たしてまいりたいというふうに現在は考えております。

○大門実紀史君 すごいですね、被害者に対する言葉の一言もない方が何を頑張ろうというんですか。
 竹中大臣にお聞きしたいんですけれども、今の話と同じです。今回の事件が先に判明していたら、先に分かっていたら、日本郵政の社長に西川さんを推されたり、総務大臣が認可されているわけですから、認可されることはあったんですか。

○国務大臣(竹中平蔵君) 先ほどからいろいろ御指摘大門委員からいただいておりますけれども、そもそもやはり三井住友銀行、これは日本を代表する金融機関でありますから、そういう銀行が金利スワップ商品を中心とする優越的地位の濫用事案によって金融庁から御指摘のような行政処分を受けたということは、これは極めて遺憾であるというふうに思っています。
 西川氏は同社を退職をしておられるわけですけれども、当時の経営者でいらっしゃったということで、今後、同銀行の諸問題に対して真摯に対応していただきたいというふうに思っております。
 西川氏は、しかし金融の専門家として、これまでやはり大企業の経営を通して、しかも非常に難しい金融の問題に対応してこられました。私としましては、西川氏のこうした知見を評価をしまして、設立総会において取締役の選任決議がなされたわけでありますけれども、その選任決議を認可したわけでございます。
 西川氏におかれては、今御自身の決意の表明もございましたけれども、これ、この民営化会社の経営を引き受けられた以上、公正な立場で力強く経営に臨んでいただけるものというふうに確信をしております。

○大門実紀史君 竹中さん言われた経営手腕というのは一体何ですか。ただもうける能力ですか。
 おっしゃるとおり、西川さんのときに、与謝野大臣が非常に不満に思っていらっしゃいますが、サラ金と一緒にやり出すとか、もうけの方法はいろいろ考えられましたでしょう。当時は竹中さんが金融担当大臣でしたからよく覚えておりますけれども、金融再生プログラムで大銀行が不良債権処理一気にやれと、その処理費用が大変だと、だから西川さん、業務純益一兆円プランを立てて頑張られたわけですね。その結果こういうことが起きたわけですよ。
 私申し上げたいのは、経営手腕というのはそれだけではないでしょう。コンプライアンスはどうなるんですか、コンプライアンスを守ると、それも重要な経営手腕の一つじゃないんですか、必須条件じゃないんですか。それがないということが明らかになった方が、何で経営手腕あるから引き続き頑張ってほしいって、そんな話になるんですか。
 竹中さん言われているコンプライアンスとかガバナンスとか経営手腕というのは一体何だったんですか。

○国務大臣(竹中平蔵君) 御指摘のように、私、金融担当大臣させていただいていますときに、正にコンプライアンスの重要性というのを非常に強く打ち出させていただきました。まず、金融庁にコンプライアンス室をつくったのも私でありましたし、金融再生プログラムの中、そのものの中にガバナンスの強化、コンプライアンス等々を含めてそれを実行に移していただいたわけでございます。その意味でも、先ほど申し上げましたように、代表的な銀行が優越的地位の濫用の事案でこのような行政処分を受けたということは大変遺憾であるというふうに思っております。
 今、その行政処分に基づいて、そして金融庁からの指示に基づいて三井住友銀行の方で真摯な対応をしておられると思います。私としても当然、西川氏は当時の経営者であったわけでございますから、この同行の、三井住友銀行の諸問題に対応して、真摯に対応をしていただきたいというふうに思っております。

○大門実紀史君 私の質問に答えられないんですか。経営手腕というのはそういうものですかとずばりお聞きしたんですけれども、どうしてそういうこと、逃げられるのかな、きちっと答えてほしいんですよね。
 もう時間が今日のところはなくなりましたので、今日はこれぐらいにしておきますけれども、私は引き続き機会あるごとに西川さんの辞任は求めていきたいというふうに思っております。被害者の方々のことを考えると、このまま済ますわけにいかないと思っております。
 本題に入る時間がありませんで、資料だけお配りしてしまいましたけれども、次回やりたいというふうに思います。
 ありがとうございました。
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