国会質問

● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi  ● ● ● ●


■2006年3月24日 予算委員会
              派遣大手クリスタルグループの違法行為を追及
○委員長(小野清子君) 次に、大門実紀史君の質疑を行います。大門実紀史君。

○大門実紀史君 日本共産党の大門でございます。
 この予算委員会で何度も非正規雇用の問題が取り上げられてまいりましたけれども、その非正規雇用の中で違法派遣、偽装請負あるいは不当労働行為がまた急 増をしているという問題を取り上げたいと思いますが、もう結論から申し上げますと、その元凶の一つになっているのが、昨年この予算委員会でも私取り上げま したが、日本最大の請負企業でありますクリスタルグループでございます。
 この巨大企業は、資料をお配りいたしましたけれども、全国で二百四十を超える子会社を持っております。売上高が五千四百億円、従業員数が十三万五千人 と、世界でもトップクラスの人材請負会社でございます。しかし、株式未公開で、ホームページにも社長のあいさつは載っているんですけれども社長の名前が 載っていないというふうな、マスコミからもやみ夜のカラスとか異形の帝国と呼ばれている実態のつかめないグループでございます。この巨大グループがとにか く大企業の製造現場に若者たちを送り込んで違法行為繰り返し、ピンはねをしながら急成長しているわけでございます。
 例えばどんなことをやっているかということで、昨年、このクリスタルグループの関連会社が行政処分を受けた事例について説明をしていただけますか。

○政府参考人(鈴木直和君) グループの関連会社というお話でございましたが、恐らくタイアップそれからシースタイルの事例かと考えております。
 株式会社タイアップにつきましては、是正指導に従わず事業所の新設に係る届出がないままに労働者派遣事業を行っていたことから、昨年六月三十日付けで東 京労働局長より改善命令を行いまして、新設に係る届出を適正にするように、それから再発防止、遵法体制の整備等の実施を求めたところでございます。
 それから、株式会社シースタイルにつきましては、合併した関連会社から引き継いだ事業所におきまして、死亡事故につながった労働安全衛生法違反の無資格 者の派遣を行っていたこと等から、昨年七月二十九日付けで愛知労働局長より九か所の事業所について一か月間の事業停止を命じますとともに、企業全体に対す る改善命令を行いまして、一つは、労働安全衛生法により資格が必要な業務に係る労働者派遣の即時改善、それから新設に係る届出、遵法体制の整備等の実施を 求めたところでございます。

○大門実紀史君 今ございましたシースタイルですけれども、これは事業停止命令というのは、過去に一件しかない非常に厳しい措置を受けたわけでございます。
 なぜかといいますと、これを実際に違法行為を行ったのは、このシースタイルに吸収されたクリスタルプロダクツという会社なんです。この会社に略式命令が 出る直前にこのシースタイルが吸収合併をして処分を逃れたと。それでは許さないということで、愛知労働局が頑張ってシースタイルそのものに厳しい処分をし たということで、私、愛知労働局、頑張ったなと思っております。
 もう一件、一昨年、日立製作所で起きた事件で書類送検になっていますが、その内容を説明してもらえますか。

○政府参考人(鈴木直和君) 日立製作所の問題という御指摘ございましたが、これは十六年九月二十八日に発生した労働災害に関連しまして、株式会社日立製作所につきまして書類送検をした事例というふうに承知をしております。

○大門実紀史君 この事件は、私、去年の予算委員会、ここで取り上げたんですけれども、これ偽装請負だったんじゃないですか。そういう指摘をしましたけど、どうですか。

○政府参考人(鈴木直和君) この労働災害に関連しまして調査をしましたところ、ここで請負事業者が入っておりまして、その間で行われた業務の実態、これを見ますと、形式上は業務請負であるものの、実態として労働者派遣に該当するものであり、いわゆる偽装請負であったと認められるものでございます。

○大門実紀史君 このクリスタルは全国でいろんな名前の子会社がありますけれども、処分だけではなくて行政指導を含めると大変な数の問題を起こしております。私、現場は非常に頑張っていると思いますが、正に今日、今申し上げたのは、時間の関係で氷山の一角にすぎません。
 私たちが調べている中では、社会保険に加入させないと、社会保険加入を申請したら辞めさせるというような、いわゆる偽装雇用というんですけれども、そん なことも平気で行っております。このクリスタルグループは、マスコミもこの間注目しておりまして、ただ、少しでも新聞に取り上げる、記事に取り上げるとす ぐ訴訟を起こすんですね、提訴するんです。これは、かつてサラ金の武富士が何か書かれるとすぐ訴訟を乱発したというのと私大変似ていると思います。事実無 根というよりも、何といいますか、書かせないために訴訟を乱発するというやり方をして、マスコミを足止めさせるねらいで、この間も毎日新聞だとか東洋経済 とかダイヤモンドとか、そういうことになっているわけで、何を書いても訴えられないのはうちの赤旗ぐらいなもんだということでございます。例えば、毎日新 聞がオーナーの林純一さんのことを内部資料に基づいてほんの少し書いただけなんですね、ほんの一行書いただけでも大抗議を受けております。
 今日はその内部資料を全面的に取り上げたいというふうに思うわけですけれども、人生観と経営姿勢という、林純一オーナー、この方は幾ら調べても経歴が分 からないというなぞの人物でございますけれども、この人生観と経営姿勢というのを作って、これで、京都で行われる子会社の社長会でこれを徹底しておりま す。この経営方針というのが先ほど言ったいろんな行為を引き起こしているということが分かりましたんで、申し上げたいと思います。
 これは全体で四十項目もある社長の経営指針でございますけれども、一々取り上げるのはばかばかしくて取り上げられないんですけれども、見過ごせないのが 二つございます。これの三十六項目めに、大競争に勝ち残り業界ナンバーワンになるには、プロは規制緩和の違法行為が許されるということを書いています。も う一つは、三十七項目めですけれども、第三者に迷惑を掛けない違法、うそは許されると。
 こういうことを社長を集めて訓示をして徹底しておりますし、これに営業ノルマを物すごく重いものを与えるわけですね。そうしたら、先ほど言いました違法 行為が全国で行われるのは、私、当たり前ではないかと、平気でやっているのは当たり前ではないかというふうに思います。私は、もう監督官庁の厚生労働省そ のものをなめて掛かっていると、最初からなめて掛かっているグループだというふうに思います。
 私も各地で、いろんなところで労働局の方と一緒に取り組んできましたけど、みんな頑張っております。本当にこの問題では頑張っておりますけれども、こう なるともうグループぐるみで違法行為を平気で、どうせもう罰金なんか大したことないということで、違法行為で、要はグループぐるみでやっているというふう に見るべきだと思います。
 その点では、本省として、この本社、グループ本体を呼んで指導するとか、次の段階の手を打つ必要があると思いますが、川崎厚生労働大臣、いかがですか。

○国務大臣(川崎二郎君) 個別の企業の名前を私が申し上げるわけにはいかないということは御理解賜りたいと思います。
 一般的には、複数の都道府県にわたって事業を行っている派遣元事業主や請負事業主等に対し、各事業所を管轄する都道府県労働局の間で指導の状況等の情報 を交換すること、同一事業主と複数の事業所において法違反が見られる場合には本社への指導監督を行うこと等により対応することとし、今後とも、労働者派遣 事業の適正な運営を確保するため、厳正な指導監督の実施に努めてまいりたいと。行政処分等を実施、公表しているケースを除き、具体的に申し上げることはで きませんけれども、違法な事案を把握した場合には、当該事業所及び必要に応じその本社に対し厳正な注意を行うということで、私の方からも指示をしてあると ころでございます。

○大門実紀史君 ありがとうございます。是非、本社にやってほしいと思います。
 このクリスタルグループは脱税でも摘発されておりまして、大阪国税局でございますけれども、十七億八千万の申告漏れがございました。これ本拠地京都なんですけれども、私も京都生まれでございますけれども、本当に京都人として恥ずかしい企業だと思います。
 谷垣大臣も京都でございますけれども、国税当局までなめられているこの会社、あるいはこの会社の方とお会いになったこともあるかも含めて、どういう御所見か、お伺いしたいと思います。

○国務大臣(谷垣禎一君) 京都人として恥ずかしいとおっしゃいました。
 私は、この会社の方とお目に掛かった記憶は全くございません。ただ、今脱税というようなことをお触れになりましたけれども、個別の事案ですから、私ども守秘義務が課せられておりますので、これについては答弁を差し控えさせていただきたいと思います。

○大門実紀史君
 これもコンプライアンスが全く欠如した企業だから起こしていることだということを指摘しておきたいと思います。
 二階大臣、わざわざ来ていただいてありがとうございます。
 実は、大企業の製造現場にほとんどこのクリスタルグループが入っております。製造業全体にとってこういう企業が現場で相当入っているというのは私ゆゆしき事態だというふうに考えているところでございます。
 実は、大企業の中には、このクリスタルグループについて私の方に、私ずうっとこの問題取り上げていますので、このグループはどうなの、どういうことな の、どういうグループなんですかという問い合わせが、私にも相談とか来ているぐらいでございまして、大企業もちょっと問題だというふうに今認識をし始めて いるところでございますけれども、経済産業省としてこういう企業があるということを認識していただきたいのと、衆議院で大臣は非正規雇用の問題を経営者の 方々と話し合う場が、話し合っていきたいと、場があればとおっしゃっていましたけれども、是非こういう問題も認識を深めてもらうように機会があれば大臣と して働き掛けていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○国務大臣(二階俊博君) お答えをいたします。
 製造業におきましては、議員も御承知のとおり、アジアの途上国の追い上げ、また競争環境の国際的な激化等に伴い、請負労働や派遣労働などの外部の人材の活用が増えていることも事実であります。これは一般論であります。
 こうした請負・派遣事業が労働基準法や労働者派遣法等の関係法令にのっとり行われるべきであることは委員御指摘のとおりであります。当然のことだと思っ ております。また、この点につきましてユーザー企業においても十分留意していくことがこれはもう常識であり、極めて重要なことだと思っております。
 先ほど私の衆議院における答弁につきましてお触れになりましたが、私は先般、参議院の委員会でも申し上げたんですが、将来は正規雇用と非正規雇用と、こ の中間のような何か新しい制度を考えるとか、あるいはまた、この非正規雇用の方々でも、不況が長く続いたがゆえに、五年、十年、その間熟練工になっておる 人たちもおられるわけであります。それらの人の中から正規雇用として取り扱うこと、採用するあるいはまた引き上げるということができないかどうか、その点 も私どもも考えてみたいと思っております。
 今御指摘にありましたように、経済界の皆さんと懇談の席でこうした問題について、今回の国会、衆参両院においてこの問題に御意見をちょうだいしていることなどを率直に申し上げて、関係者の御理解、また御協力を得たいと、このように考えております。

○大門実紀史君 どうもありがとうございました。
 終わります。

○委員長(小野清子君) 以上で大門実紀史君の質疑は終了いたしました。(拍手)
戻る▲