国会質問

● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi  ● ● ● ●


■2006年3月23日 政府開発援助等に関する特別委員会
              草の根無償資金協力について
○大門実紀史君 大門でございます。
 インドのODA調査踏まえて、具体的な問題で質問したいと思います。
 草の根無償資金協力のことでNGOの方々から要望を聞いてまいりました。この草の根無償資金協力について簡単にちょっと説明をしてくれますか、外務省の方で。

○政府参考人(佐藤重和君)  この草の根無償資金、草の根・人間の安全保障無償資金協力と称しておりますが、これは、基本的にはその各国の直接政府ではなくて、NGOであるとかあるいは地方自治体であるとか、そういうことで正に草の根ベースで直接に支援をすると、そして比較的小規模なプロジェクトに対して支援をするということで行 われてきております。
 実際にはもうかなり多くの案件を大使館をベースにして手掛けておりまして、年間で一千件以上のプロジェクトというものを、この草の根無償資金、草の根・ 人間の安全保障無償資金協力ということで、正に細かいところに手が届く、そしていろいろな人たちの教育あるいは保健、そういった基礎的な生活の向上といったようなものを重点的に支援をしていくということで行ってきているものでございます。

○大門実紀史君 ありがとうございます。
 麻生大臣にお聞きしたいんですけれども、このODAの中でNGOが果たす役割というのは私大変大きなものがあるというふうに、中国でもインドでもアフリカでも見てまいりましたけど、大臣、どういうふうにお考えか、一言お聞かせいただきたいと思います。

○国務大臣(麻生太郎君)  これは、大門先生全くおっしゃるとおりで、日本人の豊かになったせいもあるんだと思いますけれども、NGOといったようなものに参加している方というの は、何となくほかに就職するところがないからとか、何かそういうイメージの、二十五年前はそんなイメージですよ。ところが、今はかなりイメージの違った、 かなり見識があるというか経験があるというような人がこれに結構参加をされておられて、私どもから見ていてもなかなかの方が大勢おられるというのはこの十 年間ぐらい特に顕著に感じるところでもありますし、そこにずっと、三年に替わるんじゃなくて、そこにずっといるという方もいらっしゃいますし、現地に完全 に根が生えている方もいらっしゃいますので、私どもはこういった方々の知識、経験というのは大いに生かす、活用すべきものだと思っております。

○大門実紀史君 ありがとうございます。
 そういうNGOの方々からいろんな御意見を聞きまして、そのままこの委員会で取り上げて、大臣のお考えを聞きたいと思います。
 今申し上げた草の根の無償資金協力というのは、保健医療とか基礎教育とか民生、環境分野というところで、病棟を建設するとか、機材とか、教室を造ると か、机やいすとか、貯水タンクとか、言ってみれば物に、物的なものにだけ支援いたしますよというふうになっております。ところが、教育にしろ、医療にし ろ、農業にしろ、現地のNGOの方は、確かに機材をもらうのも有り難いと、教室直してもらうのも事務所を直してもらうのも有り難いと。ただ、今大事なの は、現地で特に大事なのは人を育成すると。現地の技術者を育てるとか、現地での、現地人の人たちの人材を育成すると、これがもう課題になっているというふうにおっしゃっていました。
 ただ、この無償資金協力では物にだけというふうになって、なぜこうなったかちょっと分からないんですが、ODAというのは元々、形に残るものだけというような何か伝統があるみたいですけれども、私は、全部をそうしろとは言いませんけれども、こういうNGOの方々が現地でいろいろ技術協力をする、物も、機 材はあると。しかし大事なのは、技術者を現地で育てることなわけですね。そういう点で、そういう面にも支援してほしいという要望はかなり強く出されまし た。
 NGOの事務所の人件費等には出せないというのは、これは理屈としてよく分かるんですけれども、そういう、何といいますか、人材育成プロジェクトといい ますか、そういう、大臣さっきおっしゃったようなソフトパワーが大事なわけですけれども、そういうプロジェクトに対して、人材育成プロジェクトとかそうい うものに対して、それをきちっと審査をして、もちろん、有効だということがあれば、私は、箱物とか機材とか、物だけにこだわらず、今後、そういうものに、 審査した上ですけれども、無償協力していくということもこれからはあり得るんじゃないかというふうに思いますが、大臣のお考えをお聞きしたいと思います。

○副大臣(金田勝年君) 委員御指摘の、人材育成のためのプログラムにも使えるようになればよいという御指摘であります。
 草の根・人間の安全保障無償資金協力ということについては、先ほど申し上げましたが、やはり草の根レベルでのニーズの高い案件を着実に実施していくとい うことが非常に大事でありますから、草の根無償におきましては、青少年あるいは女性のための職業訓練とか感染症対策とかについての啓蒙活動を行う、そのためのプロジェクトへの支援というものも実施していくことが大切だと、こういうふうに思っております。
 また、現場のニーズを踏まえて、草の根レベルの住民に裨益するようなプロジェクト、そしてそのための人材育成のプロジェクトというものについても支援の方向を考えていきたいと、こういうふうに思っております。

○大門実紀史君 じゃ、今後そういうことも検討に入れてもらえるということで、大変な前進だと、現地の方々、喜ばれると思います。
 そうすると、もう質問することがなくなってしまったわけですけれども、せっかくですから、私、ODA二つ、中国、インドへ行って、あとアフリカも行っ て、一つ感じていることがございますので、大臣のお考えをお聞きしたいと思いますが、今、そういう途上国でも貧富の差が広がっているんですね、グローバル 化の中で大変な貧富の差が広がっています。昔と違って、グローバル化の中でむしろ国策として容認している部分もあります。どこの国とは言いませんけれど も。
 そういう場合、貧困の解消で日本がODAを出すというのは、前と違って、私は、その国の責任として貧富の差の縮小に努力してもらわないで、貧困を国は放 置しておいて、日本がそこに貧困対策で協力するというのはちょっと違っているような気がしたりしているのをこの間見ているところです。もちろん、貧富の差 の縮小に取り組んでいる国もありますけれども、そういう面で、貧困の解消にODAをという場合は、ちょっと政府間といいますか、そういうレベルでもきちっ と貧富の差の縮小は取り組んでもらいたいということなしに援助だけでいいのかと思っているところがございますけれども、所見があればお伺いしたいと思いま す。

○国務大臣(麻生太郎君)  大門先生と、共産党と初めて自民党が意見がびったし合ったなという感じが今したんですけれども、正直申し上げて、急激に経済を成長させたら必ず貧富とか地 域間格差というのが起きるのは、日本で昭和三十年代、四十年代、みんな経験しましたので、それを救うために累進課税で動かしたり、都市で得た税を地方にし て、均衡ある都市の発展というのは、みんなもう三十年前、四十年前に日本はみんな苦しんだ経験がありますので、私どもはそういった経験を是非買ってもらい たいと。先ほど田村先生がえらくお褒めいただいたあの中にもそれを書いたんですけれども、ここは日本はアジアの中において圧倒的に実践的先駆者だったと 思っておりますので、それらのところはどういう具合にすれば地域間格差が埋まるのかとか、貧富の格差が埋められるのかというところをやっていかなきゃいか ぬというのが一点。
 もう一つは、ODAはあれは施しと思っておられる方が多いですけれども、あれは施しと思うと、地域は何となく、もらうのがという話になりますので、やっ ぱり自分で稼ぐ手口を教えるという方が僕は、基本的に正しいんで、先ほどの人材のお話をされましたけれども、私はそういった意味で意欲を持った人を育て る。能力だけじゃなくて、意欲がないと駄目だと思いますので、意欲のある人を育てる、若しくは意欲を育てる。そういったようなことが非常に今後重要視され る。特に、日本のODAというのはそういうものだというようなところが大事かなと私自身もそう思っております。

○大門実紀史君 ありがとうございました。終わります。
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