国会質問

● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi  ● ● ● ●


■2005年10月13日 郵政民営化特別委員会(6法案質疑、TV放送)
               毎週、日米が郵政会合、「日本の重要人物と」通商代表部が議会証言示す
○大門実紀史君 日本共産党の大門実紀史でございます。
 先ほどもございましたけれども、何回も質問をして否決した法案をまた総理と議論しなければならないというのは、もう悪い夢でも見ているような気分でございますけれども、とにかく前回も申し上げましたとおり、お聞きしたことに真っすぐ簡潔にお答えをいただきたいということをあらかじめ申し上げておきたいと思います。
 総理は、官から民になれば国民サービスが良くなるということを盛んに言ってこられました。そう思っておられる国民の皆さんも多いかもしれませんので、この点について端的にお聞きしたいというふうに思います。
 郵貯が民営化されれば、民間の市場原理の民間銀行になるわけでございます。本当に今よりも国民サービスが良くなるのか。今郵貯のサービスの中で一番喜ばれておりますのが、振り込み料が安いということでございます。これはどうなるかということを端的にお聞きをしたいと思います。(資料提示)
(PDF502KB)
 お手元にも資料をお配りいたしましたけれども、今、郵貯の場合、郵便局から郵便局に送る場合は百二十円、郵便局から民間の、提携しているところですけれども、送る場合は二百九十円となります。これは民間の世界になりますと、書いてありますとおり、一つの銀行のほかの支店に送る場合は五百二十五円、他行扱い、ほかの銀行に送る場合は八百四十円になります。これは民間の世界でございます。
 郵貯が民営化されてサービスが良くなるとおっしゃっておりましたけれども、振り込み手数料というのはサービスの基本的な中身でございます。郵貯が民間銀行になって、この振り込み手数料上がらないと、上げないということをはっきりと言えるんでしょうか。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは、民営化になったら、政府、総理大臣が、上げるな上げろなんて言えるわけないじゃないですか。

○大門実紀史君 だから、サービスが良くなるとおっしゃっているから聞いているわけですけれども、民間になれば良くなるとおっしゃっているから聞いているわけですが。
 じゃ、上げないとは言えないわけですか。いや、総理にお聞きしているんですよ。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 民間企業のことにまで政治が、政党が、政治家が口出す、料金まで上げろ上げろなんて言うことはできないということを言ったわけです。
 民間になれば、安い料金も設定されるし、高い料金も設定される。どちらの金融機関選ぶか、国民が選ぶわけですから。そういう政治の関与はなくなる、民間の自由な創意工夫が発揮される、そういう環境をつくっていくのが政治として大事だと思っております。それを、幾らになる、そんなこと政治家に聞いて分かるわけないじゃないですか。

○委員長(陣内孝雄君) 竹中国務大臣。

○大門実紀史君 竹中さん、いいです、もう。
 要するに、私がお聞きしているのは、そういうこと......

○委員長(陣内孝雄君) 大門実紀史君。

○大門実紀史君 済みません。幾らになるかということを聞いているわけじゃなくて、今より良くなるのかどうかと、サービスがという点でお聞きしたわけです。
 申し上げておきますけれども、郵貯銀行は民間になれば新商品を出したりいろいろビジネスモデルを展開していくと。そうなりますと、私は、この民間の世界ですね、全銀ネットですね、こちらに入ってやっていかないと新たな展開というのは私は難しいと思いますから、私は徐々に上がる方向に、一遍にかどうか知りません、上がる方向になるのは間違いないと思いましたので、国民の皆さんが、サービスが良くなって、あるいは今より下がるとか、下がることはないと思いますが、今のままだとか誤解されている方いるんじゃないかと思ったので総理にお聞きをした、それだけのことでございます。
 私は......

○国務大臣(竹中平蔵君) 委員長。

○委員長(陣内孝雄君) 竹中国務大臣。

○大門実紀史君 いや、いいです。

○国務大臣(竹中平蔵君) 済みません、ちょっと一点だけ、申し訳ありません。

○委員長(陣内孝雄君) ちょっと、はい、答弁してください。

○国務大臣(竹中平蔵君) 大門委員のお主張はお主張として、ちょっとその事実関係としまして、その図なんですけれども、郵便局が百二十円で民間が五百二十五円というような対比をしておられるわけですが、これは、百二十円というのは翌日以降届く遅いものと早いものをちょっと比較しておられるようですので、これは公社の場合でも電信の場合は三百四十円ですから、そこはちょっと正しい比較を是非していただきたいと思います。
 ちなみに、三万円以下のものに関しては公社よりも安いものも民間では存在をしております。

○大門実紀史君 私は五万円の場合でケースつくってありますので、資料に書いてありますけれども、もう細かい話はいいんです。要するに、サービスがどうなるかということをお聞きしたかったわけでございます。(発言する者あり)資料、間違っておりませんので、誤解のないようにしてください。
 私は、民営化で国民のサービス良くなるとは限らないと、民間の市場原理というのはそんな甘い世界ではありません。特に金融の世界は大変厳しい世界になっておりますので、郵貯よりも良くなるということは私は言えないというふうに思います。
 この民営化で何か国民に一つでもいいことがあるのかというふうに私はずっと疑問を持って質問をしてまいりましたけれども、要するに、だれが得するのかと、だれが喜んでいるのかと。
 これは、総選挙で自民党が圧勝をして歓迎をしている、それを歓迎して喜んでいる人たちが露骨に、ありのままに表明しております。一つは、日本の銀行業界、生命保険業界の方々で、早期に改革が実現することを、この郵政ですね、歓迎するコメントを発表しておりますし、日本の新聞は余り取り上げませんが、アメリカ、欧米の新聞は、ウォール・ストリート・ジャーナルもフィナンシャル・タイムズもそうですけれども、非常にはっきりと書いていますけれども、この郵政の民営化で得をするのはアメリカのビジネス業界、金融業界ですね、それとアメリカ政府だということも言っておりまして、この選挙の結果を踏まえてそういうことを発表をしているところでございます。
 お手元に資料を配付いたしました。アメリカの議会下院で、歳入委員会が九月の二十八日に開かれております。この公聴会の議事録をお手元にお配りをいたしました。
 アメリカの議会で日米経済・貿易に関する公聴会が七年ぶりに開催をされて、ここで、今後日本の郵政民営化の過程にどうアメリカの要求を入れさせるか、議会として入念に議員が担当者を点検しております。
 質問に答えて、ウェンディー・カトラーさん、これは米国通商代表部日本担当の代表補ですけれども、いろんなことを答えています。全部紹介いたしませんが、要するに、アメリカにとっては生保と損害保険のこともありますけれども、この日本の郵政民営化というのは最重要課題であると、ホワイトハウスも財務省も国務省も緊密に協力していると、政府を挙げて取り組んでいるということ。
 で、私、注目しましたのは、そのために在日米国大使館は、日本でこの課題に取り組む重要人物たち、キープレーヤーとウイークリーミーティング、週に一回の会合を行っていると。さらに、率直に言うならということで、日本政府の中に我々の立場に大変共鳴する人たちがいるというようなことを、これ議会の証言ですから重いわけですけれども、答えております。議会の証言ですから私は根拠があってきちっと答えていると思いますけれども、この課題に取り組む重要人物、キープレーヤーとはだれのことなのか。あるいは、毎週定期的に何を話し合っているのかというのは、もう向こうは証言しておるわけだから御存じだと思いますから、教えてください。

○国務大臣(竹中平蔵君) 今、これ初めて見せていただきましたが、よく分かりません。このプレーヤーと称する方々が日本人なのかアメリカ人なのかも含めて、これはよく分かりません。

○大門実紀史君 これは日本人です。日本の方です。これは前回、前国会で、私、アメリカと十八回協議していると、うち十一回はアメリカ政府と協議をしているということをお聞きしましたけれども、それとは別ですね、この毎週のミーティングというのは。

○国務大臣(竹中平蔵君) ちょっと私の知らないことですので、お答えする資格もありませんし、立場にもございません。

○大門実紀史君 向こうの議会での証言ですから、私、重い証言で、根拠があると思います。
 そもそも、我が国の法案についてアメリカ大使館と毎週会合を開いて打合せすると、こんなことは異常だと思われませんか、竹中さん。

○国務大臣(竹中平蔵君) ですから、その打合せをしているのがだれなのか、大使館の方、中のアメリカ人なのか、どこかの日本の方なのか、それも分かりませんので、私には何とも答えようがございません。

○大門実紀史君 向こうの議会の証言ですから、それだったらきちっと調べて、調べて御報告いただけますか。

○国務大臣(竹中平蔵君) そういうことを調べる立場にはございません。

○大門実紀史君 調べる立場にないことはないと思いますけれども、いかがですか。

○国務大臣(竹中平蔵君) 私は郵政民営化準備室等々の担当をしておりますけれども、USTRは担当しておりません。

○大門実紀史君 そうしたら、USTRは外務省の担当でございますね。総理、調べていただけますか。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 何で調べるんですか。関係ないことですよ。アメリカが関心を持っているということは結構だと思いますよ。日本も改革に進んでいるのか、邁進しているのかと。その日本の郵政民営化というのは日本の経済に活性化を与えるなと。アメリカの進出のチャンスがあるのかと考えるのは自由ですから、アメリカが。日本に進出したいならどうぞ、できるようにしてくださいと、歓迎しますよ。

○大門実紀史君 国会で質問しているわけですね。国会の委員会で質問して聞いているわけです。それで、今分かりませんとおっしゃったから、それならば調べて答えてくださいと言っているのを、なぜ調べなきゃいけないとは何ですか、その言い方は。国会に対して何ですか、総理といえど。
 委員長、これ、ちゃんと理事会で諮ってください、これをちゃんと出してもらうように。よろしくお願いします。

○委員長(陣内孝雄君) 後刻理事会で協議いたします。

○大門実紀史君 私は、なぜこれを申し上げるかというと、次のことにもかかわるんですけれども、総理は二十年前から郵政民営化は言ってきたとおっしゃっておりまして、私はその何年前から言われたことは興味ありません。要するに今、今アメリカの要求が取り入れられているということを再三指摘しているわけでございます。これは、前国会でアメリカのUSTRの公式文書、政府の公式文書に日本にアメリカの要求を入れさせたと書いてあるから聞いているわけですね。その基になっているのが、週一回会っているとかそういう話になっているからお聞きしているわけですから、端的に、興味本位で聞いているわけではありませんので、先ほど委員長からありましたとおり、きちっと後で答えてもらいたいと思います。
(PDF567KB)
 事は郵政民営化だけではございません。この十年間、ことごとくアメリカの要望というのが日本の法改正で実現をしてきております。もちろん日本の財界の皆さんの要望もありますから、アメリカだけの要望とは言いませんが、アメリカの要望が、大店法の問題、商法の問題、労働法制の問題、会社法の問題、そして郵政民営化ということでずっと取り入れられてきています、日本の法改正に。更に言えば、今度は医療制度改革、混合診療、株式会社参入、これがアメリカの方の要望になっていて、日本でも議論が始まっております。こういう、全体像としてこれは異常じゃないかと私は思うわけです。
 異常なのは仕組みの方です。これは単に単発で要求を取り入れたということではありません。アメリカと日本で年次改革要望書というのを十年前から取り交わしております。それが、それに対する回答を、大体サミットの時期ですかね、首脳会談で出すと。で、それで実現したものを、アメリカは貿易障壁報告書というものをアメリカ国内に向けて出して、成果を取ったと、日本に実現させたということを、前にも紹介いたしましたが、自慢をしていると、こういう関係になっています。
 もちろん、それは双方のやり取りだと、日本だって要望を出していると言われますけど、調べてみたら、日本がアメリカに出した要望で実現しているのはあのビザの発給の効率化とか非常にちっちゃなことばかりで、アリバイ程度の話だと。事実、アメリカの元のUSTRの日本担当部長のグレン・フクシマさんという方は、そういう仕組みというのは、仕組みというのはアメリカの要望を日本にのませるためにつくったんだと、機能しているんだというのを向こうの担当者も答えております。
 私は、そういう、何といいますかね、日本とアメリカの政府の間で日本の政策を決めるそういうシステム、仕組みがあることそのものが私は大変異常だと思いますが、総理はいかが思われますか。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は外資歓迎論を取っていますから。G8の諸国の中でも日本は外資が非常に入りにくい国であると。今、倍増をしたって、まだG8の諸国に比べれば外国企業なり外国資本が活躍割合はもう格段に低いと。世界の中の日本ということを考えるのには、日本も外国で、アメリカにおいてもあるいはヨーロッパにおいても企業が進出して活躍している。同じように、アメリカから見れば、ヨーロッパから見れば、日本の市場で活躍したいという気持ちがあるのは歓迎すべきことだと。日本に見向きもしないと、日本の市場が魅力もないなんて言われたら、日本の経済は活性化しないと。そういう意味において、アメリカにおいてもヨーロッパにおいても、日本がアメリカにおいてヨーロッパにおいて活躍できるような、同じような条件を与えるのは日本経済に活性化をもたらすと思っております。
 そういう面において、アメリカが日本の市場に注目しているというのは、日本として、ああ、捨てたもんじゃないなと、日本もそれだけ魅力ある国になったのかと歓迎すべきことだと思っています。
○大門実紀史君 どうして真っすぐにお答えされないんでしょうか。私は山根委員と違って、真っすぐ、聞かれたことは真っすぐ答えろと親からしつけをされてきておりましたんで、そういうはぐらかしは、これ本当にもう我慢できないわけでございます。
 私お聞きしたのは、お聞きしたのは、そういう仕組みがあること、日米の、日米のそういう仕組みで決められていることが異常ではないかということを申し上げたんです。それだけ、端的に。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 異常でも何でもない。対話が大事ですから、アメリカがどういう要求をしているのかというのを聞く一つの会だと考えれば、これは私は異常でもないと思っています。

○大門実紀史君 私は、これからやっぱり日本はアジアなりEUといろいろなことをやっていかなきゃならない中で、特定の国とこういう仕組みを持って、仕組みで政策が決められていくということは異常だと思います。世界から見ると異常です。日本だけです、こんなことをやっているのは。そういう点で、そういう中で、今回の郵政民営化のこともいろいろアメリカの要求が入ってきていますし、もう結果がすべてを物語っていると。いろいろ言われますけど、アメリカの要求がどんどんどんどん日本の法改正で実現していると。このことを指摘をしておきたいというふうに思います。
 もう最後の質問になりますので、これから日本のこの郵貯の民営化が何をもたらすかという点をお話をしたいというふうに思います。
 今、御存じのとおり、日本に先んじて金融の自由化を進めたアメリカとかイギリス、特にアメリカ、イギリスですけれども、小口預金者を相手にしないと、民間銀行の方が。大口はいろいろ優遇するけれども、小口の預金者はコストが掛かるということで、いろんな手数料を引き上げて口座を持たないでくれというふうな小口預金者排除ということが世界では問題になっております。例えば、アメリカでは低所得者の四割近くが口座を持てないとか、イギリスでは五世帯に一世帯が銀行口座を持てないということで大変問題になっております。
 なぜこんなことが起きているかということについて、世界貯蓄銀行と世界銀行の、去年、総会が開かれました。そこで共同決議というのが出ております。そういう小口預金者の排除というのは非常に社会的に問題なんだと、基本的人権にかかわるんだと、だから、小口預金者を守る取組を頑張ってやるべきだということを世界貯蓄銀行とあの世銀が、いろいろ批判されている世銀でさえこういう決議を上げております。その中で、この決議の中で、郵便貯金や貯蓄銀行などの公的貯蓄部門の役割が決定的なんだということを述べているんです。
(PDF549KB)
 で、私、資料を作ってまいりました。(資料提示)今、主要国でその世銀と貯蓄銀行が指摘をした公的部門がどうなっているかということでございます。
 アメリカは、もうオール民間銀行の世界です。イギリスは少しだけ公的部門、国民貯蓄庁がありますけれども、フランス、ドイツは、フランスの場合は郵貯と貯蓄金庫があります。ドイツの場合は貯蓄銀行があります。ですから、ドイツは郵政民営化しても貯蓄銀行の比率がありますからね、金融排除というのは起こらない、余り起こらなかったわけです。日本では、今郵貯がその役割を果たしているわけです。これが民営化されますと、一〇〇%民間の世界になってしまいます、なってしまいます。アメリカと同じ世界に入ろうとしているわけですね。これは、今も世界の流れが公的貯蓄部門を守って小口預金者の排除をなくそうという流れの中で、日本だけがわざわざなくそうとしていると、こういう流れになっているわけですね。
 で、これは、例えば政府も二〇〇〇年の六月には、だから大事なんだと、世界ではそういうことが起きているから郵貯を、小口預金者を守るとりでとして郵貯を発展さしていこうと、政府自身もそうおっしゃってきたにもかかわらず、今回、小泉総理、内閣になって方向転換をして、公的部門をなくそうということに踏み出されているわけでございます。
 もう時間がなくなりましたので質問いたしませんけど、これから何が起こるかというと、心配されるのは、竹中大臣もそういう懸念がないようにしたいとおっしゃっておりましたけれども、みんなが心配しているのはこの部分でございます。これが郵貯の民営化で一番心配される本質的な問題だということを指摘して、時間が参りましたので私の質問は終わりたいというふうに思います。
 ありがとうございました。

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