■2005年7月21日 郵政民営化特別委員会 民営化の方が多くの経費がかかる。“郵便局維持困難に” |
○大門実紀史君 日本共産党の大門でございます。 今日はいい質問が続いておりますので、竹中大臣、大分お疲れじゃないかと思いますけれども、だれのせいでもございませんので、耐え抜いていただきたいというふうに思います。 民営化の本質というのは、郵貯、簡保の資金を官から民に切り離すということだというふうに思っておりますけれども、それが、今日もありましたけれども、民間経済、実体経済に流れるわけではないと。国と民間銀行とか生保とか、その辺をぐるぐる回るだけではないかというのもあると思いますけれども、この問題は別の機会に取り上げたいと思いますが、とにかく、三百四十兆の郵貯・簡保資金を官から民に切り離すために民営化、そして分社化が行われると。そのために三事業一体で成り立ってきたものを四分社化すると。そこでいろんな心配も出されているわけです。 そもそも、一体経営だから成り立っていたのに、それを無理やりこうばらばらにすると、それで経営が成り立つのかというのが大きな疑問であります。特に窓口会社が成り立つのかどうか、これはユニバーサルサービスが本当に維持できるのかどうかにかかわる非常に重要な問題です。もし赤字になったら、郵便局の設置義務も絵にかいたもちになってしまうというふうに思います。 そこで、民営化でできる郵便局会社、窓口会社について絞ってお聞きしたいと思います。 窓口会社というのは、郵便事業会社、郵便貯金会社、郵便保険会社の委託手数料で成り立つ会社です。こうした会社がそもそも経営的に成り立つのかどうかということでありますけれども、今日も委託料収入について質問が出ておりました。政府の骨格経営試算では一応成り立つというふうになっていると思いますが、それはそういうことでよろしいでしょうか。 ○国務大臣(竹中平蔵君) 分社化をしてそれぞれ新規事業を行わない場合、行う場合、試算をしておりますけれども、大門委員御指摘のとおり、分社化をしても、適切に運営することによってそうしたビジネスは成り立つということを確認しているつもりでございます。 ○大門実紀史君 郵政公社にお伺いいたします。 去年の十一月、この骨格試算の郵貯銀行、郵便保険会社の窓口委託料の算定ですね、あるいは公社と民営化後の経費について意見を公表されていると思います。どのような内容か簡潔に説明をしてほしいと思います。 ○参考人(生田正治君) お答え申し上げます。 昨年十一月に準備室が作成しました骨格経営試算、これは公社は準備室から要請されましたデータを提供いたしまして、準備室が設定した前提条件に基づいて計算作業などを協力して作ったものであります。 それについて準備室と非常に率直な意見の交換をして、約五ページにわたるあらゆる問題点をカバーしたものを出したわけでありますが、公社としては専ら経営企画部門がこれに対応いたしました。 公社から指摘しましたことは、五ページにわたるたくさんなんですが、その中の幾つかのポイントだけ申しますと、一つには、コインの両面論と私言わせていただいているんですが、民間企業として経営が成り立つためには、税金を払うといった支払面と同時に事業を展開する面と両方の、コインの両面のバランスをよく考えていただきたいと。すなわち、ビジネスのモデルの自由化、適切な経営の自由度というのが必要ですよと。決して支払う面だけの民営化は困りますよというのが第一点でありまして、第二点は、今先生の御関心を示されました郵便局会社のコストの面でありますが、私どもとしましては、これは私自身の実感でもありましたけれども、地域社会住民のための利便性の維持というのは全国、全般的に今と同じように必要だという強い思いを持っておりましたから、そういった意味からも、また郵便局会社のコストの大部分が実態的に金融二会社の委託料によって賄われているといいますか、今現にそこのコストとして賄われているわけなんで、郵便局会社が郵便サービスを民営化されるとしましても、その後もしっかり受託することになるような仕組みにしていただきたいと。そうしないと採算的に難しくなるんではないかと。 それから、三つ目としましては、金融二会社というのは政府の方針によりまして上下二分される結果としまして、民間にはないエクストラの消費税が約七百億掛かるわけでございまして、逆に民間とのイコールフッティングでこれは何とかするような制度設計をお願いできないかというふうなことを中心に意見を申し述べました。 ○大門実紀史君 私がお聞きしたのは、窓口委託料あるいはコスト比較の部分でございます。要するに、原文でこう書いてあります。 窓口ネットワーク会社が成り立つようにするために、貯金会社・保険会社から窓口ネットワーク会社に支払う窓口委託料を逆算して意図的に大きくしているように見えますと。もう一つは、民営化後のコストが、コストが一・七兆から一・九兆に膨らむという矛盾を呈しておりますと、こういうことを私が質問した部分では答えられているわけです。 昨年、この公社が指摘されたときの数字は〇三年度決算に基づいた数字でございました。で、〇四年度決算が出ましたですね。まずその数字お聞きしたいんですけれども、〇四年度の郵貯、簡保の経費はそれぞれ幾らになっていますか。 ○参考人(生田正治君) お答え申し上げます。 〇四年度ということは平成十六度決算における郵貯、簡保の経費、これは、租税公課はもちろん入っていないんですが、これは合計で一・五兆でありまして、今、内訳とおっしゃいましたんで、郵貯が、正確に申しますと、九千八百二十七億、それと簡保が五千五百九十五億、合計一兆五千四百二十二億でございます。 ○大門実紀史君 ありがとうございます。 お手元にお配りした資料の二〇〇四年度経費の部分を今答えていただきました。二〇〇七年度の民営化後の経費の数字は、これ、骨格経営試算に基づいて公社が試算されたやつを、同じものでございます。 要するに、民営化した方が郵貯事業も簡易保険事業もコストが膨らむと。公社が指摘されたときには、二千三百五十九億円膨らんでいますよと、民営化後の方が経費が掛かっていますよとおっしゃったわけですけれども、〇四年度決算の比較では三千四百二十六億円更に膨らむと。民営化した方がコストが、経費が掛かるということになっております。 竹中大臣にお聞きしますけれども、民営化した方がコストが掛かる、経費が掛かるという、そんな民営化あるんでしょうか。 ○国務大臣(竹中平蔵君) ちょっと、これはどういう数字を比較されたものか、今ぱっといただきましたので、よく私、理解をしておりませんのですけれども、これ、あれでございましょうか、例えば税金とかそういうものを除いても違っているという意味でございましょうか。 これは当然、民営化しましたら、今まで免除されていました税金等々払わなきゃいけない。そういうのを除いても違うということでございますれば、これは恐らく、三社分社化したときの損益なのか、四社分社化したときの損益なのか。これ、A、Bというのは、三社と四社の違いがあるわけでございますかね。三社分社化、ともにこれは三社分社化ですか。 ○大門実紀史君 皆さん出した骨格経営試算ですよ。 ○国務大臣(竹中平蔵君) 二〇〇四年度の、これは恐らく時点が違うのでよく分かりませんですけれども、基本的には、二〇〇四年度ですから、これは手数料という形で、今まで人件費として払っていたものが手数料として払われる。トータルとしては、これは三社化であれ、三事業であれ一社であれ四事業であろうがトータルとしては同じはずでございますから、これはそういったときの、分社化のそのコスト表示の仕方によるものではないかというふうに考えられます。 ○大門実紀史君 まだ、骨格経営試算の数字、基ですから、よく仕組みを竹中大臣まだ御存じないのかどうか分かりませんけれども、おっしゃるとおり、二〇〇七年度時点で、これ、委託料収入と利益と経費の関係というのはややこしいんですけれどもね。要するに、単純に切り分けしたものがこの数字でございます。骨格経営試算の単純切り分けした、四つに分社化して単純に切り分けしたものでございます。ただ、それで比べても増えているということがあります。 トータルでとおっしゃいますけれども、これはもう民営化された後ですね。民営化された後、トータルでコストは変わりませんと言っても、それぞれ独立企業です。今、一体でトータルコストと比べるならいいですよ。民営化された後はもう独立企業ですから、その論理は成り立たないと申し上げたいのと、ついでに申し上げますと、この骨格経営試算というのは、私、数字が非常に単純な切り分けで実態と合っていないということを申し上げておきたいと思います。 といいますのは、その委託料収入の計算というのは、残高の〇・三五掛けるプラス国債の手数料等々のプラスアルファが加わってなるわけですね。それが本来の計算です。そういうふうに出されているわけですね。ところが、これは単純に利益と経費を、移った部分だけ、コストも移りますけれども利益を移ると。移った利益が郵便貯金会社にとっちゃ経費に重なると。そういうことだけおっしゃっているわけですけれどもね。ところが、手数料の計算というのは別なんです。 もう一つ、これは内部処理の外部コスト化という費用が入っておりません。つまり、今まで社内でやっていたことを今度は別の会社に頼むわけですから、内部でやってきたことが外部コスト化いたします。それもこれに入っておりませんから、それは付け加えて申し上げておきますけれどもね。 いずれにしても、申し上げたいのは、なぜ民営化してコストが掛かるような会社になっちゃうのか、それぞれ郵貯と簡保がですね。これが問題だということを申し上げたいわけです。お分かりになりましたか、仕組み。 ○国務大臣(竹中平蔵君) 済みません、全部理解していないかもしれませんが、基本的には、今先生おっしゃったように、こちらの方では今度はコストになります、しかし分社化されておりますから片っ方では収入になります。私は、そういうのは相殺されるはずでありましょうから、それは、全体として見ると、正にこれは連結して見るとというふうに申し上げたらいいと思いますけれども、連結して見るとその問題はないはずであるというふうに申し上げたかったわけでございます。 しかし、それに加えて、今追加で大門委員がおっしゃいましたのは、まあしかし、さはさりながら、分社化することによって追加のいろんな事務的な費用があるかもしれない、そういうものについてはあるということは否定はいたしません。しかし、それは決定的にそんな大きなものであるというふうには思っておりませんし、これはむしろ、なぜ民営化する、なぜ分社化するかということに関しては、それを上回る、より大きなメリットがあるというふうに考えるからでございます。 これは、やはり専門性を発揮していただく、責任を十分持っていただく、お互いの損益が影響し合わないようなちゃんと遮断をする。そして、加えて、民営化ですから、より自由にいろんな事業を独自に専門性を生かして展開していただく。そういう中によって、正に国民の利便にも資し、郵政全体の活性化にもなるようなそのような民営化ができるというふうに考えているわけでございます。 ○大門実紀史君 まだちょっと、もしあれだったら、これ後でお渡ししますんで、私、自分で仕組みの表を作ってみました。まだちょっと勘違いされているかと思いますけれどもね。 いずれにせよ、これからのことは置いておいて、独立して民営化された後、その四つの会社がトータルコスト一緒ですよといったって、成り立たない話でございます、それぞれ独立企業ですから。やっぱり郵便貯金会社は郵便貯金会社の自分たちのコストを考えますのでね。それはお分かりだというふうに思います。そういう点で矛盾が起きますよということを申し上げたいわけですね。 要するに、無理に四枚に、まないたにのった公社を四枚に下ろしちゃったと。泳げなくなっちゃったわけですね。それをばんそうこうでくっ付けると、こんな話になっちゃうと。余計な経費も外に生まれてしまうということを申し上げたかったわけでございます。 もう一つは、この手数料の金額設定そのものについても聞いておきたいと思いますけれども、まず、この手数料の設定というのは、これは時間ないんで私の方で申し上げますけれども、銀行法と保険業法に、もしもこの手数料が過大な設定になっていた場合、法律に触れます。法律に触れます。銀行法十三条、保険業法百条の三に、余分な不当な手数料を支払った場合、それぞれ罰せられます。つまり、この手数料の問題というのは非常に法律的にも重い問題でございます。 もう一つは、この手数料が過大であった場合、民間になった郵貯銀行の株主はどう思うかと。どう思うかと。こんなものはもう、こんなたくさん払うのは必要ないと、これは株主として余計なコストを減らせと、この動機が、インセンティブが働くのは当然のことだというふうに思います。 したがって、そういう面からも、ユニバーサルサービスが維持できるとおっしゃいますけれども、違う意味での質問今日はございましたけれども、論理的に言えば、そういうことが働くからこの手数料支出の削減を求めるふうに、そういう方向に働く、したがって、ユニバーサルサービスが非常にこの点からも困難になるというふうに思います。 しかも、この三千四百二十六億円というのは、私は大変不思議な数字だというふうに思っています。 骨格試算で窓口会社の〇七年度の税引き前利益というのは幾らなのか、これ答えていただけますか。 ○国務大臣(竹中平蔵君) 一点だけ、手数料の試算は民間準拠で行っていると、マーケットに準拠しているということを是非申し上げておきたいと思います。 骨格経営試算では、窓口会社の二〇〇七年度の税引き前利益は三千四百億円と試算されております。 ○大門実紀史君 じゃ、その民間準拠も一言申し上げておきますけれども、この〇・三五というのはそれほど意味のある数字ではございません。店舗を持っている金融機関と持っていない金融機関の金利の差を取りあえず想定している部分で、この〇・三五という数字は幾らでもどうでも変わるような話です。民間準拠といろいろ言われますけれども、いかにも何か厳格な数字をはめ込んだようにおっしゃいますが、そういうものではないというふうに指摘しておきたいというふうに思います。 今、三千四百億円という指摘が、言っていただきました。今見てもらったとおり、郵貯、簡保の経費の膨らみが三千四百二十六億円。つまり、数字が非常に、私うまくでき過ぎていると。この三千四百二十六億がないと窓口会社は赤字に転落するわけですね、初年度から。そういうことになりますね。 窓口会社が成り立つのかどうかというのは、私、この法案のスキームの非常に大きなかなめだというふうに思っております。政府の側からいえば、窓口会社が赤字ですということだけは決して言えないと。なぜならば、ユニバーサルサービスがそこで維持できないということになりますから、何としても、まあほかのところは赤字になってもいろいろやり方ありますけれども、窓口会社だけは赤字にできないというものが働いているんではないかというふうに思います。 そういう点で、郵政公社も、意図的に大きくしている、つまり水増しされているんじゃないかと、この委託手数料というのはですね。意図的に大きくされているというふうに公社が指摘しているのはそういうことだと思いますし、つまり、それで経費が膨らんでいるんではないかということだと思います。 私、こういう、何といいますかね、何かそもそも根拠もあいまい、しかも何か腰だめ、なおかつ結論だけ帳じり合うと。こういう数字を出して、何かこの、この法案を、民営化を議論しろと言われても、これ議論しようがないというふうに思うんですね。もう少し、骨格経営試算よりももっときちっとしたものを、公社の決算あるわけですしね、もっとそれに基づいてきちっとしたものを私出し直していただきたいというふうに思いますが、いかがですか。 ○国務大臣(竹中平蔵君) これは私、先ほど申し上げましたように、こうした手数料というのは正に市場のメカニズム、市場に準拠をしております。 これは、保険料の収入等々も今これはどういうふうに計算しているかというと、一般に保険料というのは、代理店が民間で多々ございますから、それの保険料の手数料の料率等々を持ってきて計算をしている。 先ほど、例えば、窓口のある銀行とない銀行の差額を、私たちは、これは窓口の貢献としてやっているわけですけれども、これはいい加減なものだというふうにおっしゃいましたですけれども、いや、それは決してそういうことではなくて、正にマーケットがそのように評価してそのような利率が付けられているわけでございます。そこで与えられた手数料が正に窓口の貢献としてここの税引き前利益になっているということは、むしろこれは、市場経済というのは非常によくできているということを私は表しているんだと思います。 ○大門実紀史君 だから何なんですか。私が言ったのはそういうことじゃないですよ。この計算のことを言っているんです。 民間準拠の、民間がやっているのを参考にして、指標の作り方、結構ですよ。結局、窓口会社がやっていけるような委託料を設定していると、そういうことになっているんですよね。だって、切り分けするというのはそういうことでしょう。切り分けそのものはそういうことじゃないですか。そうでしょう。だから、おかしいんですよ、そういうの。 ですから、午前中、長谷川先生からありましたけれども、ことごとく出てくるものがあいまいなまま。あいまいなままで議論しろと言われるから答弁もあいまいになりますし、深まらないんですよ、この法案の議論が、いつまでたっても。参議院においては丁寧な対応をされると言われているわけだから、もうこれでいいんですなんて言わないで、もっときちっとした資料を次から次とこの参議院の審議には出すようにお願いしたいというふうに思うんです。そういう、それは、それもできないわけですか。 ○国務大臣(竹中平蔵君) 我々としては、市場に準拠してきちっとした数字を出させていただいているつもりでございます。それの根拠についても、お尋ねに応じまして、丁寧にお答えを是非させていただきたいと思っております。 いずれにしましても、これは逆算して作ったという御指摘がございましたが、これは違います。逆算して作ったものではなくて、市場のいろんな例を参考にして積み上げたものでございます。 ○大門実紀史君 もう終わりますけれども、逆算した、逆算して作ったものになっていますよ、仕組みからいってですね。 それと、委員長、是非、参議院での丁寧な審議をやるという意味で、いろんな今の試算の、特に窓口会社の試算についてきちっとした資料を出していただくように理事会で協議をしていただくことを申し上げて、お願いして、私の質問を終わります。 |
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