■2005年6月9日 財政金融委員会(参考人質問) |
○大門実紀史君 日本共産党の大門実紀史と申します。 今日はお忙しい中、ありがとうございます。私、ノーネクタイどころかかなり軽装でございますので、皆さんもよかったら脱がれたら、自由にしていただければと思います。 まず、産業再生機構の斉藤参考人にお伺いしたいんですが、カネボウの話、既にありましたんでカネボウを除いてお伺いします。 ダイエーの再生の問題でございまして、私この間、ダイエーの店舗が撤退するんじゃないかと言われるところに調査、北海道を含めて回っているところなんで すけれども、その町によっていろいろですが、ちょうど地元商店街の中心にあって、ダイエーさんがあるおかげで地元の商店街も成り立っているという部分がか なりあります。そういうところでは店舗として存続してほしいという声がかなり出て、そちらにも届いているかと思いますし、斉藤参考人は毎日新聞で大変いい ことをおっしゃっておりましたのは、スポンサー選びのときに、価格だけではない、事業計画の中身、従業員の処遇、地域に与える影響も配慮すべきだというこ とをおっしゃっていただいております。 そういう点で、この前ですか、二十店舗ほど撤退有力視というような新聞記事も出ておりますけれども、産業再生機構としてそういう地域の経済といいますか、地域のいろんな関係に配慮した判断をしていかれる、そういうことを基本的にお持ちかどうか、まず伺いたいと思います。 ○参考人(斉藤惇君) お答えいたします。 もちろん、ベースとしてはもう当然できるだけネガティブな影響が出ないような、しかし一方では、一民間の小売業者さんですから、そこがだらだらと赤字を 出しながら結果的にはまた国民のお金を投入しなきゃいけないというようなことを繰り返してもまたいけないと。この二つの問題を同時に解かなきゃいけないと いうことで、地域的な閉鎖、撤退あるいは個別の店の収益性の問題で撤退、二つのアプローチでやっております。 今のところ、実際ちゃんと新しい経営者が入ったわけですが、我々余りその出入りのあれには、ウオッチする程度にしておりますけれども、今のところ新聞発 表になったその五か店の閉鎖を、これは相当検討したりしたんですが、家主さんがおられて家賃も下げないというような問題もあり、じゃどなたか代わっていた だけないかということも随分やったんですが、駄目だということで、大変やむなく五店だけの閉鎖を決めたという話は聞いております。 それ以外についてはまだ何も実は決まっていなくて、新聞報道が何かやたらに数字を使いまくって非常にちょっと困っておるんですけれども、先生の御指摘の点は、我々常に、ほかのケースも常に慎重に考えております。 ○大門実紀史君 是非、非常に努力していただいているということですので、引き続きお願いしたいと思います。 もう一つ、産業再生機構でいきますと、私は、足利銀行問題にずっと最初から、破綻のときからかかわってきたんですが、ただ、これだけ、これはちょっと産 業再生機構の取組、かかわり方に私大変疑問を持っておりますので、この機会に伺いたいと思うんですけれども、産業再生機構全体で四十一件の再生を手掛け て、うち十一件が足利銀行関係ということでございますね。大変大きな、占めるわけですけれども。 私、中小企業を回ったんですが、特に温泉街問題をずっと現地の人たちと一緒に取り組んできたんですけれども。例えば鬼怒川温泉でいきますと、四軒の旅 館、ホテルだけが再生対象になって、もう名前、前回出しませんでしたけれども、今回出しますけれども、あさやホテルというところがかなり大きいんですけれ ども、この四軒で債権放棄が三百二十二億円でございますけれども、このあさやホテルだけで二百二十七億円という債権放棄が足銀からされています。これは巡 り巡って国民の税金、公的資金でございますけれどもね。 これがどういう効果をもたらしているかというと、一度この委員会でも指摘させてもらったんですけれども、要するに、そのあさやホテルというのは過剰な設 備投資をどんどんやって団体客をどんどんどんどん集めて、周りの旅館、ホテルが大変迷惑をしてきたと。借金をどっと増やしたわけですね。これが足銀の破綻 によって不良債権化したと。そういうところが今度救われて、地道に一生懸命、過剰な投資しないで様子を見ながらきちっとやっていたところが債権放棄も何も なしに借金を返し続けなきゃいけないと。これは大変地元には悪影響を及ぼしております。 足銀問題というのはもうさんざん議論がありましたけれども、要するに地域一帯で再生しなきゃ駄目なんだと、ああいう銀行は。特に温泉街なんというのは一 軒、二軒助けただけでは駄目ですから、全体としてどう助けるかというのが、これは私だけじゃなくて、自民党の先生も含めてかなり委員会で議論やったところ です。 ところが、結果、今申し上げたように、たった、何百軒ある中の四軒だけが産業再生機構の支援対象になると。その四軒も私、見てきましたけれども、非常に 設備が比較的新しいところ、つまり投資をどんどんやってきたところですね、お金を、借金を増やしてきたところですね。設備が新しいと、再生機構として、あ るいはスポンサーとしても、それを引き受けて身ぎれいにしたら後で売却しやすいと。変な話になってきて、変な循環といいますか、借金しまくった方が救われ ると。それで周りの温泉街全体には非常に不満と怒りを生じていると、こんな事例が実際生じていると思うんですね。 まず、その辺のところを何かお聞きになっておりますか。 ○参考人(斉藤惇君) そういう声が一部あるということは聞いておりますけれども、幾つか問題がございまして、まず、もう先生御存じのとおりですけれども、産業再生機構の方から これを支援するとかしないとか決めるということはできない。銀行がその事業体と話して、その事業体が何か銀行のあれに賛成したらその案を持ってくるという 形で、我々は持ってきたところを、一つは再生の可能性があるかどうか、支援基準というのが先生方によって決められておりまして、まずそれに合致するかどう か。 実は、余り細かく言うといろいろ問題があるんですが、かなりもっとたくさん実は査定をしているんですけれども、実は我々の基準で再生基準にはちょっと達 していないというのが現状でございました。そういうことで、持ってこられた中では再生可能性のあるものをやらざるを得なかったということでございます。 それで、確かにいろいろな、この問題はほかの問題にもあるんだと思います。支援されるところとされないところの差というのは十分我々も認識しております ので、先ほども申しましたように、我々は、考え方としては、企業とか経営者を支援するとか、そういう気持ちは毛頭ありません。やはりあの地域の再生のため に、再生ができる、ひょっとしたらいいスポンサーがちゃんと付くようなものを二つ三つやらざるを得ない。 これは町全体を我々百人ちょっとのスタッフで、ダイエーさんもあればカネボウさんもある、温泉さんもあるというところを全部もう徹夜に次ぐ徹夜でやって いるわけでございまして、町全体を何とかせいといっても、ちょっと現実はなかなか難しいということでございまして、できるだけ、我々の考えは、再生のモデ ルをつくってそれを皆さんがいろいろ参考になさって自分でやっていただく、我々はできるだけ早く撤退すると。こういう、まさしく御指摘のとおり、半官的な 組織がいつまでもあってはいけないと我々自分で思っておりますので、そういう考えでやっておりますために、少しそういう現場でお声があるということも分 かってはおりますけれども、ちょっと今のところ、我々としてはいかんともし難いということでございます。 ○大門実紀史君 一部ではなくて、温泉街の全体をまとめておられる方々の声ですので、何軒か以外の全体の声だということを是非今日は気が付いていただいて帰っていただきたいと思いますが。 この仕組みが産業再生機構だけの問題ではないのは当たり前ですね、いろいろ地域再生の問題は。ただこの仕組みが、個々でいきますと、大和SMBCが入っ ているんですけれども、つまり投資会社が入っていると。投資会社というのはリターンを求めます。比較的短期間で高いリターンを求めます。そういうところの お金を使うとどうしても手っ取り早く身ぎれいにして、売り抜けるといったらなんですけれども、そういうところが再生案件になりやすいというところから、事 実、そんな感じの再生案件四件だけとなったというふうに、客観的に見ればそういうことだと思うので、もう終わっちゃったわけですけれども、何といいます か、産業再生機構の総括をされるときにこういう面も含めて総括してほしいし、今現在、いろいろまた進みますので、そういう点では中小といいますか、ほかの ところの配慮も是非進めていただきたいというふうに思います。 東証の鶴島参考人にお伺いいたしますけれども、先ほどから議論がありました東証の上場の問題と自主規制、審査機能、これを分離する。金融庁と今いろいろ やり合っておられるということですけれども、私は、大塚委員言われたように、はっきりと上場すべきではないとか分離すべきだというふうにまだ判断するだけ の研究もしておりませんし材料もないので、お聞かせいただきたいんですけれども、仮に東証さんが言われるように、自主規制と市場運営というのは不可分の関 係というふうなことだといたしますと、その理由はいろいろ読ませていただきました。 そうしますと、ニューヨークで四月に今度分離して、向こうは第三者機関といいますか、を考えているようでございますけれども、ロンドンは公営でやってい ると。そうすると、国によっていろいろ違うのは当たり前なんですが、じゃ、ニューヨークは自主規制と市場運営不可分と日本で鶴島さんおっしゃることは、ど う考えてやっているのか、やろうとしているのか。ロンドンではそれはどうなっているのかと。国によって違うといっても、基本的な機能ですからそれほど違わ ないと思うんですが、その辺はどういうふうになっているんでしょうか。 ○参考人(鶴島琢夫君) 実はニューヨークの場合に、マスコミ報道で私どももこういう形になるんではないかというふうに承知をしておりますけれども、中身についてまだはっきりした ことが分かっておりません。私どもも今ニューヨークにいろいろ問い合わせをしながらその詳細を調べている最中であります。 今伝えられているところでは、持ち株会社みたいなものがあって、そこに市場運営と規制部門がぶら下がるような、その傘下に収まるような形というふうに伝 えられているというふうに理解をしております。したがって、完全に取引所から分かれて全然別のところに規制機能が行ってしまうのかどうかということではな いのではないかと。 ただし、この問題は、私どももそうですけれども、この自主規制機能がきちんと担保されるような独立性がきちんと保たれるようなガバナンス上の手当てとい うのは必要だろうと思います。そのガバナンスの手当ての仕方に、考え方にやや差があるんだろうなと、こういう理解をしております。 それから、同じ自主規制機能といいましても、例えば市場の管理、それから我々でいうと事後の売買審査機能、それから不公正な取引の発見、摘発、こういう ような市場周りのものを全く取引所から自主規制機能の部分を離しちゃっている取引所は、恐らく私の知る限り、世界でないんではないかなというふうに思って おります。 いずれにしても、今御指摘のように、ロンドンは確かに上場審査についてはFSAがその権限を持っているということはあります。ただ、したがって、いずれ にしましても、その自主規制機能が侵されるような形は市場運営上好ましくないことは事実ですので、そうした、何といいましょうか、防衛策といいましょうか 防御策といいましょうか、そういうものはガバナンス上もきちんとしていく必要があるという点では私どもも同じ認識であります。 ○大門実紀史君 終わります。 |
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