■2005年3月10日 予算委員会(集中審議)TV放映 | ||||||
○委員長(中曽根弘文君) 次に、大門実紀史君の質疑を行います。大門実紀史君。 ○大門実紀史君 日本共産党の大門実紀史でございます。時間が少ないので、簡潔な答弁をお願いいたします。 この間、竹中大臣は、現状の判断として、要するに所得が下げ止まり横ばいになっていると、これから上向くと、だから定率減税の縮小、廃止をしても家計や 景気は持ちこたえるというふうにおっしゃってまいりました。ただしかし、この所得は下げ止まってこれから上向くというような話はちょうど去年の今ごろもさ れていたんではございませんか。 ○国務大臣(竹中平蔵君) 景気回復の過程で企業部門にまずキャッシュフローが増えて、それが家計部門に至っていかなければいけない、そのプロセスが従来に比べて非常に遅いというこ とは、私たちも大変注意深く見ているところでございます。ここは、いつどのように向かっていくかということはこれからも注意深く見てまいりますが、直近の 雇用者報酬につきましてそういう動きが出てきておりますので、何とかそういったことを伸ばしていきたいと思っております。 ○大門実紀史君 一々去年の議事録を読み上げませんけれども、確かにおっしゃっているわけですね。去年、竹中大臣と議論したパネル、これに最新の数字を加えました。 竹中大臣は、要するに、この時点でございますけれども、横ばいになっていると、労働分配率の調整も一段落、これから所得や家計に波及するという局面だとおっしゃっておりましたけれども、現実には下がりました。去年よりも悪くなったというのが今の実情だと思います。 ですから、今判断されているこれから良くなるということも私は当たらないんではないかと思いますが、いかがですか。 ○国務大臣(竹中平蔵君) 委員の資料で、これは雇用者報酬も付けていただいておりますが、これはどういう統計で見るかということも重要だと思いますが、雇用者報酬で見る限り、二百六十六から二百六十三兆ということでありますから、これは実質ではプラスになっているということだと思います。 ○大門実紀史君 雇用者報酬の中身、先にそれじゃ申し上げますね。 これが雇用者報酬の内訳でございます。雇用者報酬というのは、実は事業主の社会保険料負担が 雇用者の報酬としてみなされております。したがって、事業主の社会保険料が上がって、社会保障負担がこの間四兆円伸びております、これが見掛けの上で雇用 者報酬を引き上げるというふうになってきております。つまり、実際の雇用者の賃金、報酬というのはそれよりも下がっているんです。九七年と二〇〇三年を比 べますと、雇用者報酬は見掛け上十四兆円しか下がっていませんが、賃金、報酬、手取りの部分は十八兆円も下がっているわけですね。これが雇用者報酬の実態 でございます。 もう一つ申し上げたいのは、先ほども言われましたけれども、十―十二月の雇用者報酬がプラスになっているとおっしゃいましたけれども、中身を見てみます と、十一月の特別給与、これは前年の公務員の支給が低かったと、その反動あるいは支給時期の問題で何と五割増になっているんですね。あり得ない数字です。 通常は一けたですけれども、二けた増になっている。それを基に十―十二月の雇用者報酬がプラスになったと。だから、今後も雇用者報酬が伸びるというのは私 は非常に甘い判断だというふうに申し上げなければなりません。 そもそも、竹中大臣とは長い間議論をしてまいりましたけれども、絶えず言われるのが、前期比の数字とか前年比の数字を言われますけれども、私は短期でそ ういうものを取っても分からないと申し上げたいと。所得でいいますと、ずっと下降の一途をたどっているわけです。言わば山登りでいきますと、下山の途中の アップダウン、これはありましたけれども、ずっと下がっているわけですね。これが今の雇用者報酬の実態でございます。 先ほどのパネルは去年も議論しましたので繰り返しませんが、要するに、どうして雇用者報酬、賃金が上がらないのかといいますと、リストラはもちろん一段 落付いたという面があります。ただ、まだやろうという企業もあります。だけど、この非正規雇用がずっと増えているわけですね。そういう中だから、企業の利 益が上がっても賃金が上がりませんよという議論をしたわけですけれども、もっとリアルな実態も見ていただきたいんです。 (資料提示)
この請負労働というのだけ取っても、今一万社の請負会社があって、百万人を超える百二十万人ぐらいに増えているんじゃないかと言われておりますけれど も、それが二〇一〇年までに三百万人に増えるというふうに言われているわけです。正社員は正社員で賃金を裁量労働制だとか成果主義賃金で抑えられていま す。そして、こういう非正規雇用の、特に若い方々が多いわけですけれども、ずっと増えているわけですね。これでどうして雇用者報酬がこれから上向くと。来 年、再来年プラスで見込んでおられますけれども、私はそういうものは根拠がないというふうに思いますが、いかがですか。
そうした意味で、今まで急激な調整の中に日本経済ありましたけれども、そうした調整も終わる中で、経済の正常化を私たちは期待しているわけでございます。 ○大門実紀史君 ですから、竹中大臣が今回、定率減税縮小、廃止の前提とされている、前提とされている雇用者報酬が伸びるという根拠は、私は、実態を見ると何もない、今の段階でそういうことを言えるものは何もないというふうに判断しておりますが、いかがですか。 ○国務大臣(竹中平蔵君) 先ほどからの議論と共通しておりますけれども、全体としてのやはりバランスを見なきゃいけないということだと思います。 先ほどたまたま雇用者報酬を取り上げて、いやいや、それは労働者の取り分ではなくて企業の負担分が、これが減っているんだという御指摘が、増えているん だという御指摘がございましたですけれども、そうしたものが積み重なって社会保障給付になっていくわけですから、その社会保障給付は増えていく。まあよく 言われるように、年金の受給でも一兆円年間増えていくわけですから、そうしたことも踏まえた家計の力というものを総合的に評価する必要があると思います。 ○大門実紀史君 私が言っているのは回りくどい話じゃございません。雇用者報酬そのものをプラスで見込んで家計が耐えられるというあなたが判断されたことの前提が、根拠が ないんじゃないですかということを申し上げているわけです。あなたの予測が当たらないことを批判しているわけではございません。当たらない予測に基づいて 負担増を決められたことを申し上げているわけでございます。 最後に、総理に伺います。 こういう現実を踏まえて、この定率減税縮小の、廃止が景気に負担を掛けない、本当に景気は持ちこたえるというふうに総理はお考えでしょうか。 ○委員長(中曽根弘文君) 小泉内閣総理大臣、簡潔にお願いいたします。 ○内閣総理大臣(小泉純一郎君) はい。 各種指標を見ますと、失業率も低下してきましたし、就業者数も増えてきております。また、有効求人倍率も十数年ぶりに増加傾向にあります。 この企業収益が増加しているということにつきましては、当然、企業は利益を上げれば従業員の施策にもいい影響を与えていきますので、これが全体的に見て雇用者に対する報酬にもいい影響を与えていくのではないかと見込んでおります。 ○大門実紀史君 これから所得が伸びるという前提の根拠が何もないということを申し上げて、直ちに、定率減税縮小、廃止、撤回すべきだということを申し上げて、質問を終わります。 ○委員長(中曽根弘文君) 以上で大門実紀史君の質疑は終了いたしました。(拍手) |
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