国会質問

● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi  ● ● ● ●



■04年10月28日 財政金融委員会(谷垣財務相の「消費税増税07年度」発言を追及)
○大門実紀史君 大門でございます。
 本題に入る前に谷垣大臣にお伺いしたいんですけれども、今日の夕刊ごらんになりましたですか。見ていないですよね、当然ですね。私も今投げ込んでもらって見たんですけれども、午前中の愛知委員との質疑の中の答弁で、もう日経新聞一面で書いておりますけれども、谷垣財務相が消費税増税の時期を初めて明示したというような書き方されております。
 私も午前中聞いていて、えっと思ったのは、あれはっきりと時期を言われたのかどうかというふうに聞いてたんですけれども、各紙一面で取り上げておりますので、少しその確認の意味で。こういうふうにおっしゃった、正確に、私も耳で聞いたときには二〇〇七年度というのが残っただけなんですけれども、正確にはこう言われたということで、二〇〇五年度、二〇〇六年度は所得税の見直しをこうやると。つまり、定率減税のことを想定されていると思うんですけれども、そして二〇〇七年度、つまり二〇〇七年の四月一日からという意味になりますけれども、消費税増税をお願いする形で議論をしていかなければいけないと。この文言が初めて引上げ時期について明示をしたことになるというふうに報道しているわけですね。
 で、私も総理に伺ったことはありますけれども、総理は、まあ任期中には議論はしてくれと。任期中は上げないということで、いつからという時期が明示されたことは、私が記憶する限り一度もないと思います。
 そういう点では総理の考えよりも踏み込んだ発言をされたのかどうか、確認の意味でちょっとコメントお願いします。

○国務大臣(谷垣禎一君) 私も午前中の、夕刊は読んでおりませんけれども、ファクス等で流れているのを読みまして、こういう趣旨で言ったわけでは必ずしもないんだけれどもなと思いながら議事録をもう一回読んでみたわけであります。
 今、大門委員がおっしゃったように、申しておりますけれども、ややミスリーディングな言い方だったかなと思いますのは、私の真意は、昨年の与党あるいは与党税調とそれから、与党税調の御議論の中でありましたが、平成十七年、十八年度は所得税を議論して、所得税体系を見直していくと、それから、それまでに社会保障とどういう負担をしたらいいか議論をしていって、平成十九年度をめどに消費税を含んでその租税改革をやっていくということを申し上げたつもりであります。
 そのときに、じゃそのときその消費税を含んで税制改革をやっていただくというときに、まあいろんなものが含まれると思いますが、時期をどうするかというようなことはこれからの議論だというふうに思っております。

○大門実紀史君 そうすると、午前中私も聞いていた二〇〇七年度からお願いしたいというのは、言い間違ったということですか。

○国務大臣(谷垣禎一君) 言い間違ったといいますか、やはりそのときに、平成十九年度からスタート、実際にその導入する時期はいつかは別として、そのときまでにやはり税制改革、消費税を含む税制改革をまとめて動き出すような形にしたいと思って、これは私のその意欲を含んだ表現でございますけれども、そのときに、じゃ法律は例えば提出させていただきましても、実施時期がいつになるかどうかというようなことは、もう少し全体の経済情勢とかいろんなこれからの議論を踏まえていかなければならないと思っております。

○大門実紀史君 じゃ、ちょっとこの機会に、本題に入る前なんですけれども、幾つかお聞きしたいと思うんですけれども、今意欲がというふうな表現されましたけれども、景気、総理は、私予算委員会でお伺いしたときに、自分の任期中はという意味で言われると、経済成長が三%ぐらいなるまで回復をしたいと、そういう意味では、裏返せばそういう、それぐらいの経済環境にならないと消費税は難しいというふうなことも含まれていたというような気がしますし、竹中大臣も景気の状況を見ながら時期は考えていくということを繰り返しておっしゃっていると思うんです。
 谷垣大臣にこのことをお伺いするのは初めてだと思いますが、私は、その前に定率減税の見直しをやると、で、連続して消費税増税とすると、消費税の税率アップ何%になるか想定されているかまだ決まってないと思うんですけれども、いずれにせよ数兆円から場合によっては八兆円、九兆円レベルの負担増が三、四年の間にかぶさると。
 ですから、今の景気の状況をどう見るかということもありますけれども、私は今の景気の状況は、家計といいますか、経済の六割占める家計でいえば、正にまだ足踏み状態というところだと思うんですね。これが二、三年後に急に良くなるとは思えませんし、仮に少し良くなっても、連続して三、四年で八兆円の負担を掛ければ、九七年の例もありますけれども、かなりまた景気が、仮にそのとき上向いていてもかなりまた下降に下るんじゃないかと。ですから、よほど見極めないとね。
 もちろん、日本共産党と与党の皆さんとは消費税に対する考え方違います。私たちはそもそも税制として余り良くない税金だと思っておりますけれども、それをちょっとおいておいたとしても、景気のことだけ考えても、かなり慎重に考えないと消費税増税というのはかえって悪循環を招くといいますか、今国内の景気が悪いのは、地域で物が売れないからですよね。地域で物が売れないのは、やっぱり家計が余り良くなっていないから、収入が良くなっていませんね。
 だから、家計が良くならないと地域の経済、地域の中小企業も良くなりませんから、国内が、今地域経済が冷え込んでいるわけですね。そういうところは良くならないのに、もしそういうことをやるとまた悪くなると。巡り巡って国の税収が、所得税、法人税も良くならないから悪循環になっていく。そういう危険性があるので、景気の状況はよっぽど見極めないと、そういう議論といいますか、そういう方向さえ疑問に思っているところでございます。
 そういう点で谷垣大臣に基本的にお伺いしたいんですけれども、景気が良くならないで、それでも消費税を、まあ財務省は財務省の、財務当局のいろんな理由があるかも分かりませんけれどもね、景気の状況とかかわりなくやはり消費税はどこかで上げるという、先ほど言われた意欲みたいなことが少し感じられるんですが、その辺はいかがでしょうか。

○国務大臣(谷垣禎一君) これは消費税に限りませんで、その前の所得税をどう見ていくかというところもそうでありますけれども、景気の回復の動向をどう見ていくかということは、委員のおっしゃるように、これはやはりよく見極めながら一番議論をしなければならないところの一つだと思っております。
 それで、まだここから先の、随分先の景気まで全部判断する能力は私にはございませんけれども、現在、例えば所得税体系なんかを見直す、あるいはそういう中で定率減税はどうだというような議論が起こりつつあるわけでございますけれども、それに関しては、私は、何というんでしょうか、あれを入れたのは平成十一年だったと思いますけれども、当時の経済状況とは相当変わってきていると。
 一つは、バブルの言わば後遺症といいますか、不良債権処理に足を取られて、多少景気が良くなってきても、どうもすぐしぼんでしまうというような状況はほぼほぼ乗り越えつつあるんじゃないかなというふうに思っておりますのと、確かにまだ景気回復もいろいろ懸念すべき点はたくさんございます。業種による違いとか、あるいはその地域によるばらつき、それから更に言えば、じゃ、原油高はどうなるかとか、まあいろいろなことがあるわけでございますけれども、総じて言えば、民需主導で堅調な歩みではないかというふうに思っておりますが、ここはもう少しこれからきちっと景気の回復の状況をよく議論をしながら話を進めていくべきことだろうと思います。

○大門実紀史君 私、申し上げているのは、景気一般ではないんです。企業とかあれこれじゃないんです。原油とか何かじゃないんです。家計そのものなんです。
 定率減税も消費税も、直撃するのは家計です。それぞれの家計ですね。もうわざわざ言うことありませんけれども、それが経済全体の六、七割占めているし、地域経済とかあるいは国内の経済そのものがどうなるかのかぎを握っているわけですね。消費がかぎを握っているというのは再三、竹中大臣も言われているわけですね。それについて今申し上げているわけで、それが、まず定率減税の縮小なり廃止なり見直しをやっていくと。これで何兆円かかぶると。更に消費税と。このスケジュールですね。これは相当無理があると。今、今よっぽど良くなっていれば、まあ皆さんの理屈、私たちそう思いませんけれども、与党の理屈も成り立つかも分かりませんけれども。こんな悪いときに更にかぶせて更に消費税というこのスケジュールそのものが、やっぱり相当無理がある話だなというふうに思っているんですね。
 そういう点でいきますと、あれこれじゃなくて、家計の状況なんです。家計でいえば、バブルのときに比べたら悪くなっています。バブルの後に、九七年に比べたら悪くなっています。九〇、ああ、ごめんなさい、九〇年代半ばから比べると相当悪くなっています、家計というのは。雇用所得にしろ家計収入にしても、消費水準も悪くなっています。だから、悪くなっているんです、今。バブルの後よりも悪くなっていると、家計でいえばですよ。そういうときに、更にそういうスケジュールでかぶせていくと。
 これは相当無理があるという前提で今お話ししているわけですけれども、その家計が今の状況のままだったら、消費税増税は無理だとお考えですか。

○国務大臣(谷垣禎一君) 大門委員が、あるいは共産党のお考えとして、家計の状況に非常に重点を置いて見ておられるのはよく承知しております。ただ、私は、一般じゃないんだ、家計だとおっしゃいましたけれども、この問題はかなり幅広く見ていく必要があるんではないかと思うんですね。
 ちょっと大門委員の論点をそらしてしまうようですが、例えば、じゃ、年金なんかはどうなるのだというようなことになりまして、年金の将来が不安だということになれば、やはりなかなか消費マインドも良くならないし、家計の不安も付きまとうということになってくるんではないかと。そういうところにしっかりした財源を持っていって、そこが安心だということになるとまた変わってくるという面もあるのではないかと思いますので、私はそういう総合的にやはり見る必要があるだろうと思っております。
 私は何も、その家計消費の動向を、あるいは家計の収入の動向を全く無視して、それ行けどんどんというふうに考えているわけではありませんで、それも一つの大事な要素だと思いますけれども、総合的に見る必要があるんではないかというふうに思っております。

○大門実紀史君 家計に注目しているのは別に我が党だけではございません。今、どのエコノミストも問題は、家計消費、消費の動向だ、家計だということは言っているわけですね。それが、これから本格的に景気が良くなるか、国内経済良くなるかのかぎだということは大体おしなべて皆さんおっしゃられている。ですから、そこに今注目してお話ししているわけですね。
 ですから、まあ、その財源論だとかいろんな話になるとまた立場が違うところになってしまいますけれども、私はあくまで景気と消費税との関係で御質問しているわけですが、そうすると、家計がこれ今より余り良くならなくても、ほかのことが良くなると思えませんけれども、家計が良くならなくても、消費税、二〇〇七年度ぐらいから導入するという、先ほど意欲というか、ちょっと決意が見えたのか財務省の本音が見えたのか分かりませんけれども、その辺の、もう景気が良くならなくてもやっちゃうというようなことはあるんですか。

○国務大臣(谷垣禎一君) 景気が良くならなくても家計がどうあろうとやっちゃうというような意欲をまだ示したつもりはございません。やはりその辺りは注意深く見ながら判断していく必要があると思っております。
 ただ、ここもまた、また一言申し上げますと、今日、大門委員が御質問されようとしている本題に入れなくなっちゃうかもしれませんが、私は、企業部門の、何というんでしょうか、が堅調に回復していることが今徐々に家計等にも及びつつある状況ではないかなというふうに思っておりますので、そこもあるいは大門委員と考え方が違う点かもしれません。

○大門実紀史君 もう本当、そうですね、本題に入れなくなりますんで。
 ただ、一言だけ申し上げておきますと、企業部門が家計に結び付けば何も申し上げることはないんですが、この間、結び付いていないんで予算委員会でもいろんな議論をさしてもらっているということと、景気の動向を十分配慮した上でいろんな議論をされるべきだということでございます。
 もう一つ、本題に入る前に用意していたことがあるんで、どうしてもお伺いしなきゃいけないことなんですけれども、災害対策の関係です。
 災害対策の財政措置で補正を組むということも考慮に入れていられるということですが、私、この間、災害の各地調査して、自治体の皆さんと、市長さんや町長さんとお話しするんですけれども、具体的にいろいろ要望が国に対して出てくるんですけれども、今度、補正組むとしても、こうならないでほしいなと。もちろん、国がやるべき災害対策の事業、これはもちろん手厚く頑張ってもらいたい。ただ、市町村、自治体レベルが手当てしなきゃいけないことも一杯あるんですね、災害対策というのは。その点で首長さんが異口同音に言われるのは、思い切って、この災害を受けた、被災された皆さんにいろいろなことをやりたいと。そのときに、財政が余りないものですから、後で交付税措置をちゃんとしてくれるという、そういう枠組みができれば、思い切って住民のためにいろいろやれるんだということを、首長さん、いろいろ言われるわけですね。
 そういう点では、今度の補正組まれるときに是非お願いしたいのは、国の事業を補正で厚くするだけじゃなくて、市町村がやることについても手厚くできるように、まあ交付税措置になると思いますが、その辺を手厚くできるようなことも補正に是非盛り込んでいただきたいと思うんですけれども、お考えあれば。

○国務大臣(谷垣禎一君) まあこれは、被害がどういう現状なのかもう少し把握しませんといけないと思いますが、今おっしゃったような論点は、一つは激甚災害等の制度をどう使っていくかということがあると思いますし、もう一つは特別交付税のようなものをどう使うかというようなことがあると思うんです。それをどうしていくかは、もう少し被害の中身をよく掌握してから我々も議論したいと思っております。

○大門実紀史君 じゃ、その地方の問題を是非お願いします。
 もう残り時間がありませんので、具体的な、本題の具体的なことは次回やらしてもらいます。厚生労働省、ごめんなさい、来てもらって。
 大臣にだけ基本的な考え、お伺いしたいと思いますけれども、今日取り上げたかったのは、この間、私ずっと社会福祉事業に掛かっている消費税の問題を取り上げてまいりました。例えば無認可保育所の問題ですね。今日は実は障害者の方々が社会復帰のために働いておられる授産施設のことについて取り上げようと思ったんですが、時間ないんで中身は次回にいたしますが、基本的な考え方、伺いたいんですけれども、社会福祉事業というのはそもそも公共性がある、非営利だということで、消費税から元々、原則的に外されているものなんですが、そういうものが幾つかの、部分的に課税になったりしているんですね。これが、次回、問題点明らかにしたいと思いますが、要するに矛盾をいろいろ生んでおります。
 私、消費税増税云々する前に、まず社会保障事業にまで消費税が掛けられていると、そういう、例えばそれをそのまま、これ消費税二けたになるとかヨーロッパ並みになるとかなったら、これとんでもない、違う話になってしまうわけですね。
 そういう点からいって、その社会福祉事業に対して掛かっている消費税幾つかあるんですけれども、一度総合的に研究していただいて検討してもらいたいというふうに思うんですけれども、具体的に言えば、この前の無認可保育所のことを一度大臣にも御答弁いただいて今検討していただいていますけれども、あれは厚生労働省頑張ってくれて、そうしなきゃということで努力してもらっていますけれども、まだそういう問題が残っております。
 そういう社会福祉事業はやっぱり消費税にそぐわないということで元々非課税になっていたわけですから、そういう今掛かっているものについてちょっと研究をしてもらって検討してもらいたいというふうにお願いしたいと思うんですが、いかがでしょうか。

○国務大臣(谷垣禎一君) この間以来ずっとその問題を大門委員が追及されているわけですが、こういうちょっと今の御質問の機会をおかりして、こう言ってしまうとちょっと刺激的かもしれませんが、やはり今後消費税をどうしていくかということを考えて、先ほど平成十九年度目途にというようなことをちょっと申し上げたわけですが、そういう中で、やはり社会福祉事業や、社会保障、社会福祉等をどう見ていくかというのは、消費税全体を見直していく中でも一つのテーマなんじゃないかなと私は感じておりますので、まだあらかじめ結論を持っているわけではありませんけれども、頭に置いて少しよく考えてみたいと思っております。

○大門実紀史君 終わります。

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