■04年10月21日 予算委員会(一般質問) |
○大門実紀史君 日本共産党の大門でございます。 今日は雇用問題、特に青年の雇用問題について尾辻大臣中心に伺いますので、どうぞよろしくお願いいたします。 まず、事務方で結構ですけれども、今の青年の雇用状況、さらには社会問題化しておりますニートとは何かということとその対策について説明をしてください。 ○政府参考人(上村隆史君) 若者の雇用情勢でございますが、十五―二十四歳層の失業率は九・六%、これは全体の失業率四・八%に比べ高い水準でございます。一方、有効求人倍率でござ いますが、これは同年齢層につきまして一・三八倍、全体の〇・八三倍に比べて逆に高くなっております。求人はあるものの就職に結び付かない状況ということ になっております。 さらに、先生からお話のありましたいわゆるニートと呼ばれる層でございますが、働いてもおらず教育も訓練も受けていない若者層ということでございますけ れども、平成十六年版労働経済の分析において、非労働力人口のうち十五―三十四歳層で、卒業者かつ未婚であり通学や家事を行っていない者について集計して おりますが、これが平成十五年で五十二万人となっております。 その対策でございますが、ニートになった理由等は区々であるとは思いますけれども、この対策としては、働く意欲のある若者に対しては昨年策定をいたしま した若者自立・挑戦プランを着実に推進しているというところでございますが、これに加えまして、いわゆるニート対策としてでございますが、来年度、働く意 欲が不十分な若者に対し、新たに働く意欲や能力を高める対策を若者人間力強化プロジェクトとして推進するということで考えております。 ○大門実紀史君 この中の若者自立支援塾について説明してくれますか。 ○政府参考人(上村隆史君) 御指摘の若者自立塾についてでございますが、民間の、民間団体等の協力をいただきまして、合宿形式の中で生活訓練や労働体験等を通じまして働くことについ ての自信と意欲を付与する事業ということで考えているものでございまして、来年度の概算要求に盛り込んで、現在、要求を行っているところでございます。 ○大門実紀史君 ニート、大変な深刻な問題になっています。その目玉である、対策の目玉である若者自立支援塾、是非効果のあるものにしてほしいなというふうに思いますけれども、私、NPOの皆さんに聞き取りをしました。 今、NPOの皆さんが共同生活を通じてそういう青年の支援をやっております。この合宿形式というのは、今三か月の合宿とか、利用料七万、八万とか言われ ていますけれども、必ずしも、今NPOが具体的にやっていることと別個のちょっとプログラムといいますか、枠組みになっていまして、それならば今やってい るようなことをもうちょっと支援してほしいとか、三か月の合宿という形にこだわらないで、もう少し青年の在り方をよく見てもらって、いろんな、もうちょっ と柔軟にこの自立塾の枠組み考えてほしいという要望が非常に強く出されていましたけれども、ちょっと大臣のお考えを伺います。 ○国務大臣(尾辻秀久君) 今、そのNPOの話初めてお聞きしましたので、是非先生御案内ください。私もまず見せていただいて、そしてそういう皆さんと話をしながら今の問題とかみ合わせていきたいと、こういうふうに思います。是非よろしくお願い申し上げます。 ○大門実紀史君 是非NPOの現場の意見を聞いて具体的なプログラムを決めてほしいと思います。 ただ、フリーター、ニート問題というのは、マスコミの取上げ方、あるいはこの政府の若者自立・挑戦プランという名前にも、私、大変違和感を感じておりま して、何か主な原因が、若者が意欲が足りないとか甘えているとか働かないとか、だから自立心付けてやる、人間力を付けてやるんだと。それだけが本当の問題 なんだろうかというふうに思います。 お手元に資料をお配りいたしました。これはニートの人口比を九五年と二〇〇〇年と比較したものです。二〇〇〇年の方を見てもらえれば分かるんですが、ぐ んとニートが増えているのが高校卒業時、あるいは少しまた増えるのが大学の卒業時です。つまり、今、企業が高卒、大卒の新規採用をがくっと減らしている と。六十四万からこの二〇〇〇年でいえば二十六万八千に減らしていると。これが一番のニートを作っている最初の原因だと。 つまり、青年の雇用環境の厳しさが根底にあって、その中でも非正規雇用で働くのがフリーター、もう意欲を失って、展望を失ってこもっているのがニートというふうに思います。つまり、青年の雇用環境の悪化が根底にある原因だと思いますが、大臣いかがですか。 ○国務大臣(尾辻秀久君) この若者の雇用問題といいますのは、先ほど来ニートという言葉が繰り返されておりますけれども、この言葉に象徴されますように、今、そしてまた先生お話し のように、若者の方にいかにも問題がありげにどうしても言ってしまう、そこの問題はあると思います。それではまた若者も本当に、本当の意味での自立ができ ないだろうということは思いますから、先ほど先生がおっしゃったような名前の付け方などというのは私どもももう一工夫要るところだろう、一工夫要るなと思 いながら聞いておりました。 更に申し上げますと、今先生おっしゃったように、求人の減少というのは、これはもう否定できない事実でありますし、それからもう一つ申し上げると、やっ ぱり今求人側の人材の求め方というのが高度な技能、知識を要する、そういう人材も求めます。ただ、今度はぽっとこっちの方に来て、もうパートでいいよ、ア ルバイトでいいよという求め方、この両極端に分かれておる。ここのところが若者の雇用問題の一つの問題かなと、こういうふうには認識しております。 ○大門実紀史君 今、尾辻大臣言われたとおりだと私、思います。企業の責任が第一に問われるべきだろうというふうに思います。 竹中大臣にお聞きしたいんですけれども、今つまりコストを下げると。だから、正社員は雇わないでアルバイト、派遣労働、契約社員という非正規雇用に切り 替える。コストを下げるということで、今まで社内でやっていたOJTを、社内訓練をもうやらないで、今大臣言われた即戦力を求めると。こういうことを企業 が続けていきますと、当面その企業の利益は上がっても、近い将来、熟練能力のある若者が少なくなるわけですから、企業の生産力、ひいては日本の経済の基盤 を崩していくということになると思います。私、これ正に合成の誤謬をやっているんじゃないかと思いますが、大臣のお考えをお伺いいたします。 ○国務大臣(竹中平蔵君) 若者が働く機会がない、それと、まあ言ってみればコインの両面のようなものでありますが、若者の働く気力もうせているのではないか、その悪循環を絶たなきゃいけないという問題意識は持っております。 企業の責任ということでありますけれども、企業はこれまで言わば教育投資を行って、それで終身雇用、年功序列の賃金という形でやるのが実は企業の利益を 最大化させる方法であった。熟練労働力が足りない場合にはそうするのが企業にとって一番合理的であった。だから、別に政府が奨励したわけではないのに、こ の今までのようなシステムが日本で定着していた。しかし、今大きくそのシステム、環境が変わったということだと思います。 企業が投資して長く雇うということは、企業が固定投資を行うことを意味しますから、そういうものに耐えられなくなった。そうした中では、企業としてはど うするかといいますと、やはり外ででき上がった人材、つまり企業が内部でトレーニングするのではなくて、外部で教育すると、外部で教育された人を受け入れ るという形で新しいシステムを作っていかなければいけない。企業は先に変わり始めているわけですけれども、我々はそうした世界的な環境の変化に対応するた めに、外部で労働力、技術力が供給されるようなシステムを作らなければいけない。それが大学改革であるし、今正に厚生労働省、経産省と一緒に取り組んでい るこの自立プランであると、そのように私は認識をしております。 ○国務大臣(尾辻秀久君) 先ほど申し上げたことで誤解があってはいけないと思いましたのであえて立たせていただきましたが、先ほどの、若者の人材の求められ方が両極端になるという ようなことを申しました。これは企業の側だけの話じゃなくて、若者の側もまたそういう多様な働き方になっておるわけでございまして、今社会全体の中でこう いう多様な働き方にどう我々が対応するかという、このことが求められておる、そのための施策を考えなきゃいけない、こういうふうに思っておるということを 改めて申し上げたいと存じます。 ○大門実紀史君 竹中大臣に伺いますけれども、そういう企業の変化、そういう行動を政府そのものが支援してこられたんじゃないですか、労働法制をいろいろ変えて派遣労働を増やすと、職業訓練だって増やさないと。その辺の責任はいかがお考えですか。 ○国務大臣(竹中平蔵君) これは正に働く方と雇う方、双方がそういった新しい時代に適応するためにもっと自由な動き方をさせるようにしてほしいという、そういうニーズがあったわけです。それを政府が縛っているのはおかしいと、そうした中でいろんな規制改革の問題が出てきたんだと思っております。 これは政府の責任というよりは、本当に新しい世界的な経済環境が変わっている、その新しい経済環境にふさわしい国内のシステムを作っていかなければいけない、そういう問題だと思っております。 ○大門実紀史君 若者のニーズと言われますけれども、その結果がフリーターですか、その結果がニートですか。答えてください。 ○国務大臣(竹中平蔵君) だから、ニートというものが、フリーターというものがこれ以上増えないような新しいシステムを私たちは作ろうとしているわけです。 そうした中で、今回の自立・挑戦のプランもありますし、大学を中心とした教育改革も行っていかなければいけない。これは時代に合わせて民間も変わらなけ ればいけないし、社会のシステムも変わらなければいけない。変化するのは嫌だというふうに立ち止まっていることはできないということだと思います。 ○大門実紀史君 つまり、当面の利益だけを追求していくとこういうことが起こるんです。合成の誤謬が起きて今若者が大変な目に遭っているということでございます。 資料だけ配りましたけれども、その点でいくならば、国の責任として、公共職業訓練がこんなに貧困なわけです。こういうことをきちっとやらないと、言って いるだけでこういう結果をもたらしたのは、政府の構造改革路線だと思っておりますから、竹中大臣が言われた労働市場の構造改革を進めた結果であると思いますから、その責任は取らなきゃいけないし、少なくとも職業訓練制度をもっと強化しないと追っ付かないということを申し上げて、質問を終わります。 ○委員長(中曽根弘文君) 以上で大門実紀史君の質疑は終了いたしました。(拍手) |
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