国会質問

● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi  ● ● ● ●


■159-参-財政金融委員会-6号 2004年03月25日(未定稿)
○大門実紀史君 今日は一人で八十分いただきましたので、是非じっくり、丁寧に答弁をしていただければと思います。ただ、そうはいっても量より質でございますので、前向きな答弁がしていただけたら少し早く終わることもございますので、是非よろしくお願いしたいと思います。
 最初に、消費税の免税点引下げの問題で、保育所と課税、非課税の問題について質問させていただきます。
 四月一日から免税点引下げということで、一千万に下がりました。このことで、今、いわゆる認可外保育所、無認可保育所という言い方もいたしますけれども、そこに通う児童の保育料にも課税されると、消費税が掛かってくるということで、全国的に今問題になりつつあります。ちなみに、認可保育所の方は非課税というところですね。
 昨日、横浜市議会で、全会一致で、各党一致で一つの意見書が採択をされました。厚生労働省、その内容を御存じでしょうか。

○政府参考人(北井久美子君) お答えを申し上げます。
 その意見書につきましては、横浜保育室の保育料を消費税非課税扱いとすることを求める意見書でると承知をいたしております。

○大門実紀史君 財務省当局は御存じですか。

○政府参考人(大武健一郎君) その横浜における決定は存じ上げておりません。

○大門実紀史君 大事な内容ですので、かいつまんで、どういう意見書が採択されたか御紹介をしておきたいというふうに思います。
 若干読み上げも含めて申し上げますと、横浜保育室の保育料を消費税非課税扱いとすることを求める意見書というのが全会一致で採択されたわけです。書いてあること、後の質問にもかかわりますので、ちょっと一通り読むところは読みます。
 現在、国では待機児童ゼロ作戦を推進し、国を挙げて待機児童解消に取り組んでいる。また、横浜市においても認可保育所の整備を続けるとともに、平成九年度より全国の自治体に先駆けて独自の保育施策である横浜保育室事業を展開、推進してきた。保育所入所待機児童数調査の定義においては、横浜保育室などの地方自治体による独自の保育施策で保育される児童については児童待機数に含めないこととしており、横浜保育室事業が待機児童解消のための有効な政策として機能しているということは国も認めているところである。ところが、平成十六年四月一日からの改正消費税法の適用によって、横浜保育室を運営する多くの事業者が消費税課税事業者となり、横浜保育室を利用する保護者の消費税負担の増、あるいは事業者負担の増となる。横浜保育室は待機児童解消を目的とした児童福祉法に定める認可保育所に準じた施設であり、その横浜保育室の利用に対する影響が懸念されることとなる。よって、国におかれては、次世代育成支援対策を推進し、保育施策の充実を図る国の施策とも照らし、横浜保育室の保育料を非課税、消費税非課税扱いとするよう税制度の改正を行うことを・u棊v望する。ここに横浜市議会は意見書を提出するということで、衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、総務大臣、財務大臣、厚生労働大臣あてに横浜市議会議長名での意見書でございます。
 厚生労働省、これについてどういうふうに思われますか。

○政府参考人(北井久美子君) お答えを申し上げます。
 認可外の保育施設の中には、確かにこの横浜保育室のように地域において一定の役割を果たされているものがあることは十分承知をいたしておりますけれども、やはり保育サービスにつきましては、その安定的な提供と質の確保という観点から、基本的にやはり児童福祉施設最低基準を満たす認可保育所が保育サービスの提供の基本であると考えておるところでございます。
 このため、従来より規制緩和措置などを通じまして質の高い認可外の保育施設が認可保育所に転換されるように条件整備を進めてきたところでございまして、そういうことを今後とも進めてまいりたいというふうに考えております。

○大門実紀史君 財務省はこの意見書についてどういうふうに思われますか。

○副大臣(石井啓一君) 消費税につきまして非課税とする例外措置を設ける場合には、対象とする取引が他の取引と客観的に区別できるということが適正な税執行を図るという観点から要請されるところでございます。
 認可外の保育施設には様々な形態の施設があるというふうに存じておりまして、そういった法的位置付けが明確でない様々な施設の中から認可保育所に準ずるような施設を税当局の立場から特定するということは、おのずからこれは限界があるということでございまして、この認可外保育所については、まずは、その保育所行政の中での位置付けをどういうふうにしていただくのか、これを明確にしていただくことがまず必要ではないかというふうに考えております。

○大門実紀史君 厚生労働省の今のお考えをもう少し聞いておきたいと思いますけれども、そうすると、横浜保育室のように、そういう、準じていろいろありますよね、確かにね、無認可といってもですね。何もかもという意味で今日質問しているわけじゃありません。そういう準じているようなところにやっぱりこういう消費税が課税されるということについてはどう思われますか。

○政府参考人(北井久美子君) 現在の消費税の課税、非課税となっておりますのは、基準といいますか、法令上の根拠でございますけれども、この根拠につきましては、認可保育所は社会福祉法第二条に規定する社会福祉事業ということで、その保育サービスの提供の対価が消費税法第六条の規定によりまして非課税となっておりまして、そうでない認可外保育所の保育料は社会福祉事業に該当しないということで課税ということになっているわけでございます。
 そういう社会福祉事業であるかどうかというくくりでこの税法上の課税、非課税が分かれているところでございまして、なかなかこの保育料の課税、非課税の問題についてその独自の基準などを設けてやるということについては大変難しい問題であろうとは認識をしておりますけれども、いずれにいたしましても、認可外保育所に関する問題につきましては、そういう保育料の扱いも含めまして、関係方面の意見もお伺いをしながら、何ができて何ができないのかといったことについて十分勉強し、整理してまいりたいというふうに考えております。

○大門実紀史君 もちろん勉強、整理はしてもらわなきゃいけないんですけれども、もう少し深めていきたいと思いますが、そうすると、先ほど、今言われましたけれども、無認可のところは、先ほど横浜が言っているように、正に認可に準じて役割を果たしてくれるようなところも含めて、社会福祉事業でないというふうな考えですか。

○政府参考人(北井久美子君) 児童福祉法で言う保育所はいわゆる認可保育所でございまして、この認可保育所が社会福祉事業ということになりますので、横浜保育室というケースにつきましては、社会福祉事業という位置付けにはなっておらないところでございます。

○大門実紀史君 そうしたら、その無認可保育所というのは何なのかを少し明らかにしてからまたお聞きしたいと思いますけれども、これは横浜の問題だけではないわけですね。全国に無認可保育所がかなりあります。全国で何か所あって、そこに通っている子供は何万人いるかお答えください。

○政府参考人(北井久美子君) 全国の認可外保育施設の施設数でございますが、全国で六千八百四十九か所、それから入所児童数で約十七万九千人ということでございます。

○大門実紀史君 これだけのところのその多くに、そこに通っている園児の保育料に消費税が四月一日から課税されようというところに来ているわけですね。この無認可保育所の果たしている、法的には社会福祉事業に当たらないというふうなもう大変冷たい答弁をされているわけですけれども、実態としてどうなのかということですけれども、実態として、この国民の仕事と子育てというふうな両立という点で国が掲げている点もあるわけですけれども、どういう役割を果たしているというふうにお考えですか。

○政府参考人(北井久美子君) 認可外保育施設には様々なレベルの施設がございますわけでございますが、中には地方自治体が独自の基準によりまして比較的質の高い認可外保育施設に対して補助を行っておられる地方単独事業がございます。それにつきましては、私ども政府として待機児童ゼロ作戦を進めている中で、その待機児童解消策の一つとして一定の役割を果たしていただいているという認識をいたしております。待機児童の解消が緊急の課題ということにかんがみまして、一定の役割が果たされているというふうに認識をいたしております。

○大門実紀史君 今政府が掲げている待機児童ゼロ作戦において、もう少し数字的に無認可保育所がどういう役割を果たしているか述べてもらえますか。

○政府参考人(北井久美子君) 政府におきましては、この十四年度から十六年度まで毎年五万人の待機児童を解消していこうという目標を掲げております。その解消の仕方として、無認可保育所に、保育施設に幾らという内訳は設けておりませんけれども、その解消作戦の中での一定の役割は果たされるというふうに考えております。

○大門実紀史君 そういうアバウトなことじゃなくて、例えばその待機児童の数をカウントするときに、無認可保育所に入っている子供たちの数はどうなっていますか。

○政府参考人(北井久美子君) 地方単独施策の認可外保育施設に通っておられる方、児童については待機児童というその内訳には入っておりません。

○大門実紀史君 つまり、もう無認可に入っている子供たちは、国の施策として待機児童をゼロにするという中でもう手当てしていただいていると、無認可の方々にですね、そういう位置付けじゃないんですか、簡単に言えば。

○政府参考人(北井久美子君) 待機児童ゼロ作戦の勘定においてはそういうことになるかと思います。

○大門実紀史君 それで、さらに今どういうふうになっているかと申し上げますと、確かに待機児童ゼロ作戦で入所児童数増加しておりますけれども、待機児童数というのは二〇〇一年が二万一千三十一人、二〇〇二年度が二万五千四百四十七人、二〇〇三年度が二万六千三百八十三人と、年々増加しておりますね。もう一つ、無認可保育所の利用数も二〇〇一年の十六万九千人から十七万九千人に増加しています。
 これはもう実態として、社会福祉事業でないとかかんとかおっしゃいますけれども、実態として政府が国策として待機児童ゼロ作戦をやっている中で重要な役割、一定の役割じゃなくて正にそれがなくてはならない役割を無認可保育所が担っているということではないですか。重要な役割じゃないですか、もう担っちゃっているんじゃないですか、一部、大きな部分を。いかがですか。

○政府参考人(北井久美子君) 特に都市部におきましては、大変待機児童の多い地域がございます。そうしたところにおきましては、確かになかなか認可保育所だけでは賄えないということがございますので、無認可とはいえ比較的質の高い認可外保育施設についても一定の役割、特に横浜保育室のような施設のようなケースにつきましては重要と言ってもいい役割を果たしているという認識ではあると思います。

○大門実紀史君 つまり、私申し上げたいのは、もう無認可保育所は社会福祉事業に該当しないとかとやかく言う段階ではなくて、もう正に今認可保育所の補完的役割を、大変重要な補完的役割を担っているのが実態であるというふうに思います。
 したがって、認可、無認可なんて線引きするほどの実態的な区別はそれほどないと。ところが、認可保育所は非課税で無認可保育所は課税というふうになっているこの消費税の問題が今もう大変な問題になってきている、当たり前のことだと思います。現場でやっている方は当たり前のことだと思います。なぜ消費税掛けられなきゃいけないのかと。しかも国の国策上重要な役割を果たしているのに、なぜ消費税掛けられなきゃいけないのかと、当然怒りがわき起こっているわけですね。
 もう一つは、私、これは親御さんの立場、父母の立場から考えてみると、これ本当におかしなことが起きているというふうに思います。
 例えば、子供を、働きに出ておられて子供を預けたいという親御さんは、まず認可保育所に入れないかということでいろいろ、申込みをされたりいろいろされると思います。先ほど数字で表れているとおり、国の施策が不十分なものですから認可保育所がそれに見合うキャパシティーがないと。だから無認可があるわけですね。ですから、その無認可保育所に入らざるを得ないというふうになっているわけです。
 そういう親御さんにとっては、まず認可保育所に入れなかったことによる、無認可に子供を通わせざるを得ないという、ここでまず最初の不公平が生じているわけです。さらに今度は、そういうところに、子供を無認可のところに通わさせていると保育料に消費税が上乗せされてくると。これは小さな金額ではございません。無認可の保育所の保育料というのは月大体五、六万円です。一つの例でお聞きしましたら、五万八千円の保育料をいただいている無認可保育所、ここで五%の消費税が掛かりますと毎月三千円近く保育料がアップいたします。大幅値上げになりますね。なります。
 これは、その親御さんにとって考えてみてください、想像してみてください。子供を認可のところに預けたかった、だけど、そこがもう定員一杯で預けられなくて無認可に預けたと。そしたら今度は、無認可だからということで消費税を上乗せして保育料を高く取られると。おかしな話ですね。おかしな話でしょう、普通の親御さんにとっては。ただ外に働きに出て子供を預けたい、御本人にとっては何の責任もありません。責任のないところでそういうところに消費税が掛けられると。これは課税の公平という点から見ても問題があると思いますが、財務省の方はいかがですか。

○副大臣(石井啓一君) まあ委員がおっしゃるように、ほぼ同等のサービスを受けるのに課税、非課税があるのはいかがなものかという御主張かと思います。
 分からないでもないわけでありますけれども、ただ、先ほどの答弁と重複いたしますが、やっぱり非課税とする場合には、やっぱりきちんと他の取引と区別できる客観的な位置付け、もう少し申し上げますと、法令に基づく位置付けがやっぱり明確であるということがこれがやっぱりどうしても必要でございまして、私どもが税独自の立場で、認可外の保育所が認可保育所と同等のサービスを提供しているかどうかということを独自に判断するということにはおのずから限界があるということは是非御理解をいただきたいと思います。

○大門実紀史君 私、お聞きしているのは、そういう技術的なことではないんです。同等のサービスとかなんとか、サービスの質によって課税、非課税ではないでしょう、消費税というのは。違いますよね。サービスの質によって消費税掛ける、掛けないではありませんから、勘違いなさらないようにお願いしたいんですけれども。
 その方にとっては、私、極端な話、その方が裁判を起こしたらどうします。消費税を掛けられて保育料高く払わされると、年間にすると四万円近く取られることになると。何で、自分の責任かと。そもそも国が認可保育所をちゃんと作らないから、施設がないから無認可に預けて、それで、認可保育所に通わせている親御さんには消費税掛からないと、払わなくていい、ところが無認可に預けているから消費税余計に取られる。一人の国民として、一人の親として、これは当然おかしいじゃないかと、国はおかしいじゃないかと言われて裁判起こすこと可能ですよ。そういうことを申し上げているわけです。
 だから、これそのものの、このことのそのものの問題意識をどういうふうに持たれているかと。課税の公平性ということについてどう思われているか、財務省のきちっとした考えをお聞きしたいと思います。

○政府参考人(大武健一郎君) 先生御存じのとおり、消費税自体、やはり全員に、ある意味では各取引段階における事業者の売上げに対して課される税、その中で特定の取引に対して非課税とするという例外措置を設ける、その場合には、やはり対象とする取引が他の取引と客観的に区別できる、それがやはり税の公平から、あるいは適正な執行を図る観点から求められている。
 ところが、今先生が正に言われましたとおり、認可外保育所というのは正にその取引を規定する法令それ自体の引用がなされていないわけであります。じゃ、それを税の立場で、まあ言ってみれば恣意的に免税する、しない、これは明らかにできないわけでありまして、やはりそこは法律上のきちっとした位置付け、それをなされるものに対して行うと、そういう限界があるということは御理解いただきたいと存じます。

○大門実紀史君 どうするかという点ではそういうお話になるのは分かっておりますけれども、何度も言いますけれども、その子供を預けている親御さんにとって不公平だと、おかしいと思うことについて、それそのものがおかしいということでしょう。違いますか。

○政府参考人(大武健一郎君) 何度も申し上げるようで恐縮ですが、やはり税というのはある基準に基づいて、正に租税法定主義じゃありませんが、きちっとした運用が要る。もし、そのように先生が言われるような位置付け、それぞれの親御さんの思いがあるんであれば、それはやはり法律で位置付けられる、それに基づいて消費税も運用されるということが求められるんじゃないかと存じます。

○大門実紀史君 ですから、今のその区分けが間違っているんですよ。だから、そちらの方を何とかしなきゃいけないというふうに財務省が思われているのは分かっておりますけれども、私は、裁判になりますよと。この四月一日からたくさんの父母の皆さんが、無認可に子供を通わせている父母の皆さんが気付き始めます。何で余計に年間三万も四万も取られなきゃいけないんだろうと気付き始めます。どこ、だれのせいだと。自分のせいではありません。国の施策、あるいは国の、大武さん言われたとおり、基準が、法令が訳の分からない区分になっていて、実態とは違う区分で課税、非課税が今なされていると。だから、間違っているのは、その御本人じゃなくて、国民の方ではなくて、今の皆さんが課税をしている基準の方です。実態として何も変わらないものを、たまたま児童福祉法のところにある認可、無認可と、これ、取りあえずこれが物差し、区分けの物差しはこれしかないだろうということでそれを選択されたと、そうしたら実態としておかしなことが起きていると、そういうことなんですね。それが今の実態です。
 で、若干お聞きしますけれども、これは厚生労働省にお聞きします。
 先ほど、要するに認可か無認可の保育所かというのは、児童福祉法の方ですね、でたまたまその区分けを使ったら、使って財務省が課税をして、あるいは非課税というところで今、さっき言ったことが起きているわけですけれども、無認可保育所、そもそも論でいきますと、私はもう非課税の扱いになるべきだという考え方を持っております。社会福祉法の第二条に定義する社会福祉事業というのは非課税とするというふうに消費税法の別表一の七でなっておりますし、社会福祉法第二条は、児童福祉法に規定する保育所、これを社会福祉事業と定義をしております。さらに、児童福祉法は市町村に保育の義務を課し、二十四条第一項ただし書に定めるものと、もう一つは、児童福祉法が定めるやむを得ない事由によって設けられているというところにただし書が連動するわけですけれども、そういうことから考えると、つまり認可のところでやれない部分があると、だからそういう場合は無認可事業所も都道府県が認知をして、指導をして監督して、そういう役割を果たしてもらうというただし書というのがあるんですけれども、それから考えると、そもそもこの無認可保育所というの・u桙ヘ何もそんなつまらない区分けを持ってこなくても非課税の事業になると思いますけれども、厚生労働省、いかがですか。

○政府参考人(北井久美子君) 先生御指摘のとおり、児童福祉法には、認可の保育所と、それから、認可外の保育施設でありましても現在は届出義務が課されておりまして、その届けられた認可外保育施設についてきちんと指導監督をするということになっております。したがいまして、認可の保育所であれ認可外保育施設であれ、児童福祉法の基本原理でありますところの児童の健全育成に資するという原理は尊重されなければならないというふうに考えております。
 ただ、現状の仕組みにおきましては、この認可保育所につきましては施設整備や運営費といったようなことについて公的支援が付いておる、それに対して認可外の方は国の支援はないというようなことも、この税の非課税、課税の問題だけでなくて、そもそものそのシステムが今そういうことになっておりますので、これは、御指摘の点は非常に認可外保育施設の在り方ということについての大きな御指摘ではないかというふうに思っております。
 したがいまして、課税、非課税の点だけで独自のくくりができるかどうかというのはなかなか難しい問題であろうとは思っておりますけれども、いろんな御意見を伺って勉強してまいりたいというふうに思っている次第でございます。

○大門実紀史君 だから、勉強はいいんですけれども、もう至急、四月一日からですから、私は、具体的な検討に入ってもらう段階に来ていると。矛盾があるわけですね。
 一言お聞きしますけれども、厚生労働省に。先ほど財務省に聞きました。その親御さんの立場に立ってみるとこれはもう明らかに矛盾だと、おかしいと、何でうちは取られなきゃいけないのと、こうなると思いますが、厚生労働省としては、その親御さんの立場で考えるとどういうふうに思われますか。

○政府参考人(北井久美子君) 純粋に親の立場に立ってみますと、それは、その課税の部分が保育料として上乗せになるというようなことは負担増になると、痛いと思うであろうと思っておりますが、そもそも、繰り返すようで恐縮でございますが、認可保育所と認可外の保育施設というのは、そもそも公的負担の入り方も含めまして、その意味では供給者の立場からのくくりになっておりますので、その意味では、親御さんといいますか、利用者の観点からのくくりではなってないということでございますので、現状のシステムではそういういろんな意味での差が出ているのではないかというふうに思います。

○大門実紀史君 実は、これは簡単に言うとこういうことだと思うんです。過去に、恐らく二年か三年前にこの消費税非課税問題、課税問題というのが、二、三年も前じゃないと思いますが、時期はちょっとよく分からないんですが、簡単に言いますと、厚生労働省と財務省でこの保育事業の課税、非課税という相談が事務方でされたそうです。そのときに、先ほど大武さん言われたとおり、何をもって非課税、何をもって課税にするかと、法令上のどれを使って区分けをするかという恐らく議論があって、もうこれでやってしまおうと、恐らくそういうふうに決断されたのが、先ほどから出ている児童福祉法の方の認可、無認可という単純な、それで課税、非課税と、こういうような判断をされたと思うんですね。
 私は、そのときによく、厚生労働省もそのときによく実態を財務省と詰めて、先ほど申し上げました、国民の立場からいっても、その父母の立場からいっても、課税上の不公平という、これ大変、憲法上だって大問題になるようなことが生じてしまう。
 実態論として、国の、国策の中では一生懸命頑張ってくれている、むしろ国策に組み込まれている無認可保育事業所、それ自身も困難に陥ると。そういうこともよく勘案して、別の基準をそのときによくお考えになって決めるべきだったのに、まあ言ってしまえば役人同士で、昨日から言っていますけれども、非常にレベルの低い議論で、この児童福祉法の認可、無認可のところで課税、非課税を決めてしまおうというふうなことにされたんだと思います。ですから、こういう、今までは三千万以上でしたから、大きな無認可保育所というのはそんなに数ありませんので問題にならなかったわけですが、一千万となると相当この課税対象になってきます。だから、こうやって問題が今出始めているわけですね。
 私は、この機会に、しかも早急に財務省と厚生労働省がこの無認可保育所の非課税、課税問題、これについて検討を始めるべきだと思いますが、まず財務省からお聞きしたいと思います。

○副大臣(石井啓一君) 先ほどの答弁の中でも申し上げさせていただきましたが、まず厚生労働省の方で、このいわゆる無認可保育所ですね、これを法的にどう位置付けるか、こういった検討をしていただくことがまず必要かと思っております。

○大門実紀史君 厚生労働省から具体的な提案があれば、財務省としては検討に入るということでしょうか。

○副大臣(石井啓一君) まず、厚生労働省の方でアクションを起こしていただくことが必要かと思っております。

○大門実紀史君 財務省の方は、厚生労働省でそれなりの合理的なカテゴリーを示してもらえれば課税にこだわらないと、率直に言ってですね、そういうお考えですけれども、厚生労働省はいかがですか。そういうことでしょう、非課税だから。

○国務大臣(谷垣禎一君) 先ほどから石井副大臣が御答弁しておりますが、やはり、税の立場からすると、原則はあらゆる取引に消費税をいただくというのが原則でございますから、例外を設けるときには法的にやはりきちっと明確に線引きができるような仕組みでないと、これは私どもとしても税の執行上も困りますし、また、税の公平というところからも問題が出てくると思います。そういうことをいろいろ勘案して、社会福祉法あるいは児童福祉法という明確な定義、明確な法的位置付けを前提にこの法律を作ったんだろうと思います。
 委員のおっしゃっているのは、実際利用している親御さんの立場から見ているとどうだという形で問題提起をされまして、それはやはり私は一つ見るべき視角だと思いますが、税の方からすれば客観性、公平性、明確性というものがなければならない。
 そこで、私ども、いろいろ厚生労働省、先ほど北井審議官が御答弁をされておりますが、厚生労働省も、私ども承知しておりますのは、いろいろ御努力もいただいて、例えば無認可保育施設であっても、認可外の保育施設であっても、質の高いものは認可保育所に転化しやすくなるような取組とか、いろんな工夫をしていただいているというふうに承知をしております。
 私どももこれでもう頭は全くかちんかちんというわけではございませんけれども、そういう厚生労働省の御努力やまた今後の議論ということはあるかと思いますが、当面、こういう明確な指針というものがなければなかなか税の執行は難しいのかなと、このように考えております。

○大門実紀史君 おっしゃるとおり、その線引きの問題をずっとやってきているわけですけれども、その線引きが実態と合わないということを再三御指摘しているわけですので、その線引きを示すのは厚生労働省というのも私よく分かりますので、そういう話をしているわけですけれども。
 ただ、一言申し上げておきますけれども、厚生労働省は、要するに規制緩和で無認可のところも認可に引き上げていくからというふうに言われていたのは少し前の段階で、つまり三千万以上ですとちょっと大きな無認可保育所になりますから、それでもなかなか認可されないというのが実態なんですが、まだ可能性があるわけですね、施設の規模から何からいって。だから、規制緩和の中で三千万以上の無認可保育所については拾い上げていくよと、認可になれば非課税になりますからね。そういう方向を今までは答弁をされてきたのは知っていますが、今は事態が違うんです。今は変わったんです。一千万ですから、子供たちの数でいえば十三人とか十四人とか。これはもう根本的な問題は政府の施策の不十分さにあって、そういうところが補完してくれているわけですけれどもね。そういうところの問題ですから、簡単に今の、それこそ認可の基準でいくとどんどん認可されていくというふうには私ならないので、そういう話では今の段階ではないということを是非踏まえていただきたいと思います。
 厚生労働省、たびたび財務省の方は合理的な物差しが示されればという話が出ておりますけれども、そういうものを検討される段階に来ていると思いますが、いかがですか。

○政府参考人(北井久美子君) 財務省の御答弁にありますように、この課税、非課税の問題は消費税法の法律の問題になると思いますから、なかなか直ちに対処するということは困難かと思いますけれども、私どもも、厚生労働省といたしましても、今日の御議論を踏まえて、何ができて何ができないか、あるいは対応できるかどうかについて検討をしていきたいというふうに思っております。

○大門実紀史君 どういうことですか。何を検討するんですか、そうしたら。できること、できないことあります、検討しますというのは答えにならないよ。

○政府参考人(北井久美子君) 認可外保育施設に関する問題について、そもそもこの認可外保育施設の位置付けそのものの議論もございますけれども、今先生御指摘のは税法上の消費税の課税、非課税の問題であると認識いたしております。
 その課税、非課税の問題についていえば、現在は社会福祉事業ということであるかどうかによって課税、非課税が消費税法上決まっておりますから、それを直すということはなかなか直ちに早急に措置できるというものではないということはありますけれども、しかしながら、そういう基準を決めたことが妥当であったかどうかというような御指摘がございましたわけでございますから、私どもももう一度その基準という問題について十分検討をしていきたいということでございます。

○大門実紀史君 私、重要な問題ですので、しつこいようですけれども、よく確認したいんです。つまり、もう四月一日からで、率直に申し上げますけれども、全国でこれ裁判ばあっと起きたらどうしますか。これ、一か月不利益被ったって裁判できますよ。ざあっとこれから、そういう先ほど言った父母の立場でおかしいと、課税上の不公平だと、そういう事態ですよということを申し上げているんですね。昨日、ちょうど横浜市議会ではそういう全会一致で、自民党から共産党まで全会一致でそのとおりだといって意見書が採択されたわけですね。そういうところに来ておりますよということなんです。
 ですから、もちろん施行令を変えるとか何変えるのに時間掛かるのは十分承知していますけれども、厚生労働省が急がなければいけないのは、財務省が言っている合理的な物差し、別の実態をよく含んだ、実態をよく含んで、そういう裁判されないような、あなた方の立場でいえば、そういう物差しを至急検討に入ると。いろいろ勉強しますとか、時間掛かりますけれども意見踏まえて、何を検討するのか分からない検討じゃなくて、もうそういうときに、遅かったわけです、私から言わせれば。何年か前によく財務省と厚生労働省がこういうことになるのを予想して、想定してちゃんとした煮詰まったものをやっておけばよかったものを、やってこないでサボってきているから、ぼやっとしているからここまで来てしまって、今わあっと全国でその怒りが広がっているということなんですね。
 ですから、至急物差しを、新たな物差しを探すと、その検討に入るべきだと、入りますかということを答えているので、明確に入らないということになったり、いい加減に検討していつになるか分かりませんなんといったら大変なことになりますよ。それを、皆さん意識が低いものですから、問題意識が、御指摘をしているわけだから、前向きにその物差しについて新たな検討に入るということを言えないわけですか。

○政府参考人(北井久美子君) その基準の検討につきましては、財務省とも御相談をしながら厚生労働省としても検討したいというふうに考えます。

○大門実紀史君 是非よろしくお願いします。至急物差しの検討に入っていただきたいと思います。
 次の質問に入ります。
 もう一つ資料をお配りいたしまして質問しようと思っていたことがございます。谷垣大臣が昨日から次期総理大臣という声がかなり上がっております。そういうふうに言われて消えていった方もかなりおりますのでどうなるかというのは別ですけれども、今政権の中心にいらっしゃいますので少し大きな議論をしたいと思ってこの資料を用意したんですけれども、午前中、民主党の山根先生がほとんど同じことをやられましたので、ちょっと角度を変えるといっても難しいんですけれども、もしダブるようなところあればダブらない答弁に変えてもらうということを含めてちょっとよろしくお願いしたいと思います。
 一枚目に所得格差と貯蓄格差の拡大という時系列のものを用意いたしました。これは上の方に行くほど格差が開いているというグラフですね。貯蓄もそうです。所得もそうです。見てもらって分かるとおり、六〇年代から、出っ込み引っ込みありますけれども、八〇年ぐらいまでこの所得格差、貯蓄格差、格差が狭まる方向だったんですけれども、特に九〇年代から、更に言えばこの数年ずっと開いてきていると思います。
 谷垣大臣は、これはなぜこういう開き、開いてきているかと、どういうふうにお考えですか。

○国務大臣(谷垣禎一君) 確かに大門委員が御指摘されましたように、いわゆる所得のジニ係数が一九八〇年代以降じりじりと増えてきているというか漸増傾向にあるというのは事実だと思います。
 これがどういうことを意味するかというのは、いろんな御議論があるようでありますが、研究者の間でも、いろんな御議論を見てみますと、例えば、高齢化により比較的所得格差の大きい高年層が増加したといったような社会経済的な、所得といいますか、その経済の、経済というか個人のどのぐらい富裕かという構造の変化というようなものが大きいんだという御指摘があったり、あるいは税制改革がこういうことを、税制がこういうことを結果したのではないかというような御議論があるように承知をしております。
 私どもの立場でこういう指数の変化がどういうことを意味しているかということを考えますときに、幾つか見るべき視点があるのかなと思っておりますのは、これも午前中から、あるいは昨日も峰崎先生それから山根先生と御一緒に御議論させていただいたところでありますけれども、我が国のジニ係数の水準は諸外国と比較した場合に依然として低い、かなり低い水準にあると。それから、所得水準の最上位グループとか最下位グループの比較も、その差は諸外国の中で小さいものであると。それから、先ほどちょっと税のことも、税がこういうことを、このジニ係数の漸増傾向をあれしているんじゃないかという議論があると申しましたけれども、そういう問題を考えますときには再分配をどうしていくかということになると思いますが、必ずしも税だけでは議論できないなと、社会保障の在り方とか歳出面の措置も含めて議論をしなきゃならないのかなと、こんなふうなことを感じております。

○大門実紀史君 こういう貧富の差が、これは貯蓄も含めてグラフにしてありますから、全体として言えるのは貧富の差と一言で言えると思いますが、これは開く社会というのはいい社会とは思われないと思いますが、こうやって開いていくという社会そのものの在り方はどういうふうに大臣としてお考えですか。

○国務大臣(谷垣禎一君) 山根委員との御議論の中でもそういう傾向は注意深く見ていく必要があるというふうにも申し上げたわけですが、午前中の議論から更にもうちょっと考えてみますと、もう少し何か整理立った言い方ができないかなと思って考えてみますと、結局、構造改革で何をやろうとしているかということにもあるいはつながってくるんじゃないかなと思うわけですね。
 つまり、従来の平等主義とか年功序列とかいう仕組みが長い間にやや硬直的なものになって、そういうもので、そういう仕組みの中で人がそれぞれの個性や能力を必ずしも十分に生かし切れないような弊害も出てきたのではないかと。そうした壁を打破して、規制を緩和したりいろんなことをしながら、国民一人一人の努力、そういうものが報われる、そういう社会を作ろうというのが構造改革のねらいの一つでもあるんだろうと思うんですね。
 つまり、もう少し言葉を換えて言えば、従来は結果の平等というところに非常に価値を置いておりましたけれども、もう少し機会の平等に持っていったらどうだという考え方が私は背後にあるんだろうというふうに思うんですね。もちろんこれは、一〇〇%機会の平等で足るとか一〇〇%結果の平等を目指すとか、そういうつもりではありませんけれども、流れとしてはそういう流れが私はあるんだろうと思います。
 それで、こういうふうな考え方を取ってまいりますと、一方で必要になってきますのは、雇用とか、あるいは中小企業とかいったところもそうですが、セーフティーネットをどうしていくかということはやっぱり考えていかなければならないと思いますし、それからいろんな、これは今やっておられる御議論と直接かかわるわけではありませんけれども、機会の平等という点を考えますと、いわゆるベンチャーとか新しいことにトライをしようという方たちを、積極的にできるように、何というんでしょうか、励ましていくような政策、そういったようなものも必要になってくるだろうというふうに思います。
 ですから、今は、そういう機会の平等という、結果の平等よりも機会の平等をもう少し助長、促進していこうという流れが、流れの中で私たちは政策を立てて仕事をしているわけでありますが、一方、そのことがどういう結果を生むかということも私は同時に物事を進めていく場合には注意深く見ていかなきゃいけないなと、こんなふうに考えております。

○大門実紀史君 私、これずっと調べてきたんですけれども、なぜ格差が広がっているかなんですが、今、例えばこれ、具体的に言いますと、貯蓄格差が広がっていますけれども、これは、貯蓄格差だけなぜ広がっているか。大臣、御存じといいますか、いかが思われますか。

○政府参考人(大武健一郎君) 先生の資料と若干違うんでございますが、総務省の全国消費実態調査というのがございまして、それで貯蓄現在高のジニ係数見ますとほぼ横ばいというのが出ております。〇・五六三、〇・五三八、〇・五四二と。これは一九八九年から取っておりますが、ほぼ横ばいになっているかと思います。その中でさらに、住宅宅地資産だけは、地価の下落が主因かと思いますが、相当格差が縮小している、こういう姿が出ているかと思いますが。

○大門実紀史君 私が出した資料と違うことを言わないでいただきたいんですよね。これもちゃんとした政府の資料ですから。何のために答えられたんですか、今。
 私が聞いているのは、これは政府の貯蓄動向調査で、これも政府の資料ですから、これで広がっていることについてどう思うかと聞いているわけです。大臣、いかがですか。

○国務大臣(谷垣禎一君) いろんな資料がございますので、ちょっとどれを足場にして御答弁を申し上げたらいいのかと思いますが、これは委員の御質問の想定されているのを先取りして申し上げますと、多分これは累進税率を緩和してきたことがこうなっているんじゃないかというようなお問い掛けなんではないかなと思うんですが、これもしそういう視角からこれをごらんになるんだとすると、私はこれも度々御答弁申し上げていることでありますが、累次のいろいろな税制改正で我が国の個人所得課税というようなものはかなり低い水準に置かれているということなんではないかと思うんですね。

○大門実紀史君 時間ありますので、先取りしていただかなくて結構でございます。
 そうはいっても、もう結論の方の議論をしたいと思いますが、私は、この間、貯蓄動向調査でいきますと、最貧世帯といいますけれども、一番多い貯蓄額というのが二百六十万ぐらいですね。これは五年前三百七十万ですから、一般世帯でいくと貯金の取崩しをして生活している人が増えていると。貯蓄ゼロの世帯が今二割になっていますね。ですから、そういうところが一方で貯蓄、貯金額が減っている世帯が増えているということが大臣言われたことに加えてあるというふうに思います。全体で申し上げたいのは、私は、構造改革論は、いわゆる竹中流の構造改革論はずっと誤っているということを竹中大臣とは議論してまいりました。その結果がこういうふうに貧富の差が現れる社会になると。
 それで、私、先ほどちょっと山根さんのときに新しい資料で諸外国に比べてというのを言われましたけれども、私、それを言うならば、資料のことを言うならば、これは駄目ですよ。これはOECDの一人当たりの統計ですからね、そんなに広がっていませんと言われていましたけれども。例えば、アメリカなんかこれは横ばいですけれども、物すごく所得格差広がっていますよ、イギリスも。ですから、余り違う資料でやり合うと訳分からなくなりますので、申し上げておきたいと思います。要するに、アメリカとイギリスはやっぱり構造改革やりました、レーガンのとき、サッチャーのとき。そのときにやっぱり所得格差、貧富の差が相当広がりました。これは私が言っているわけじゃなくて、いろんな研究者が指摘をされているところです。
 なぜ広がるかということなんですけれども、私が思いますのは、この前予算委員会で私指摘いたしましたけれども、所得再分配前の所得がまず格差が広がっていると。非正規雇用が、低賃金の非正規雇用が増えて、正社員も成果主義ということで、一部高給を取る人と、あとは賃金を下げられると。こういう財界の、九五年に出ました日経連のそういう戦略の下でいろんな規制緩和されてきましたけれども、その中で、そういう所得再分配前の、会社からもらう段階で、給料もらう段階でもう格差が広がってきている、これが一点です。したがって、構造改革で進められてきた、竹中さんに言わせる労働市場の構造改革というのがこの所得格差の肥大化している一つになっていると。
 もう一つは、もう少し長い目で見ますと、日本の構造改革路線というのは別に小泉さんが急に始めたわけではございません。中曽根総理のときに、レーガン型の改革ということで、大臣言われました特に税制のフラット化ということに手を付けられたわけですね。八六年当時、最高税率七割だったのが三七%ですね、今それぐらいになると。さらに、消費税というのは非常に逆進性がありますので、更にこの再分配機能を落とす方に働きますから、それも含めてありました。
 もう一つは、税の問題よりも、大臣が御指摘少しされましたけれども、社会保険料負担の方ですね、これがかなり重くなっています、家計調査を見ますと。今日は時間がもうあれなんで細かいことは言いませんが、家計調査で出ております。社会保険料負担というのは、これは累進になっておりませんで、比例して取られるわけですね、累進がありません。しかも、頭打ちがあります。したがって、再分配の機能がそこでも働かなくなってきている。社会保険料負担がずっと重くなると再分配機能が働かないということになります。税金の使い道といえばやっぱり社会保障の方を、何だかんだ言っても水準下げていくとこれも所得の再分配機能が低下いたしますので、こういうふうな格差が開いてくると。
 私は構造改革論そのものが景気を良くするなんということはもうあり得ないということを、理論的にもあり得ないということを再三御指摘してきたわけですけれども、社会のありようとしても決して私はいい社会に向かっているわけではないと。今確かにそうですね、一部大変高額の貯蓄者、高額所得者が出ておりますけれども、片やホームレスが町に広がると、そういうアメリカに似たような社会になってきているわけですね。
 これは大臣言われたような平等主義が、昔何か非常に悪くてみんなが努力しなくなってみたいなことがありますけれども、みんな努力してきたと私は思っております。しかも、経済の活力をそぐから累進税率を緩和するという名目でずっとやられてきましたけれども、じゃそういうお金持ちに累進構造をフラットにして減税したから活力が出たんでしょうか、この十年間。何も出ておりませんね。人間お金だけで働いているわけじゃありませんから、もうある数字以上になるともう分からなくなります、何億稼いでいるというレベルでいきますと。私たちのようなもう十万、二十万になるともっと欲しいとか殖やしたいとかありますけれども、もう何億円稼ぐ人たちは余りそういう意識はありません。むしろ自己実現のために頑張っておられるわけですね。
 ですから、余り今まで言われた累進税率の緩和が社会の活力を生むなんということはこれはもう十年間見て証明されていないというふうに思います。そういうふうに私は理解しているんですけれども、何かコメントがございますでしょうか。

○国務大臣(谷垣禎一君) 今の大門委員のお考えにコメントするとすれば、先ほど結局申し上げたことに返ってくるんじゃないかと思います。やはり結果の平等に非常に重きを置いた社会からやや機会の平等というものを重視していこうという方向に今かじを切っていろんな問題設定を、いろんな設計をし直しているということではないかと思います。
 ただ、この問題は、私も先ほど申しまして、繰り返し申し上げますけれども、一〇〇%の結果の平等、一〇〇%の機会の平等というのはありませんから、その程度を少し変えているんだろうというふうに私は考えております。
 それから、もう一つの問題で、例えば税率をフラット化したことがこういう所得再分配の機能を弱めてこのような結果を生んでいるんだという御主張だったと思いますが、私どもの観点からすると、やはり税というのは、特に基幹税というのは所得再分配機能を持たなければならないわけですけれども、これは単にフラット化したということだけではなくて、その税の構造が社会に合わないと、要するに偏った税収を生み、そのことがひいては所得再分配機能を縮小していくということになるんだろうと思います。
 今朝方のたしか山根委員との御議論で出てきたんだと思いますが、例えばフリーター化しあるいはパート化していくということになりますと、今まで正規雇用の方を中心に源泉徴収で税というものを組み立てていたけれども、どうもそれが実情に合わない。そうすると、税の基盤がだんだん小さくなってきて所得再分配というものもうまく果たせないと、こういう問題も私はよく考えて時代に適応していかなければ起きてくるんじゃないかというふうに思います。もちろん今朝方の山根委員の御議論にもありましたように、全部じゃフリーター化を前提として税制を組み上げるというわけにももちろんいかないわけでありますけれども、目指すべきものは何かというようなことも考えながら、現状を見てそういう税の基盤を広げながら社会再分配の機能も果たしていくと、こういう形で私はあるべき税制を考えていく必要があるんではないかと思っております。

○大門実紀史君 もう一枚の資料の方に議論を移したいと思います。景気と家計、消費の関係です。
 これはどういう資料かといいますと、消費に占める年齢階層を示したものです。つまり、簡単に言いますと、所得、年収七百万未満の人たちが消費支出全体の約半分を占めていると、半分以上を、強を占めていると。年収一千万未満でいきますともう七割五分ぐらいの消費を占めているというふうなことを示したグラフです。
 これはじっくり議論したいなと思って用意したんですが、簡単に言いますと、私は去年の六月の予算委員会で、テレビ放映されていましたけれども、私、予算委員会の場に座っておりまして驚いた議論がありました。小泉総理が質問に答えて、減税をするならば、減税をするならばお金持ちにした方がいいと、庶民に減税しても景気波及効果は少ないという趣旨の発言をされたんですね。そのときに少し説明的に言われたのは、お金持ちは余裕があるから消費に回してくれると、減税をすればですね。逆、裏を返せば、庶民の方は、減税しても、余裕がないから貯金に回ったり生活の穴埋めに回って、消費に回らないんではないかという趣旨の御答弁をされて、私は驚いたんですけれども、谷垣大臣はどういうふうにお考えですか。

○国務大臣(谷垣禎一君) まあ、確かにある程度高所得の方が財布のひもを緩めてもらわないとなかなか活性化されないという面はあるように思います。

○大門実紀史君 私は、本当に経済のイロハ御存じないと思うんですけれども、大体お金持ちというのはお金を使わないからお金持ちになったんですね。消費に回さないからなんですね。消費性向を見てもそうですし、お手元に用意したこのグラフがそういうことを表しているわけです。ですから、やっぱり、お金持ちは投資に回しますけれども、消費という点でいくと回らないということだと思います。
 ですから、申し上げたいことは、今日はもう結論だけ申し上げますけれども、やっぱり中堅以下の所得の人たちにどういうふうな手当てをしていくかと、社会保障の問題、税制の問題ですね、ことが景気の浮揚にも非常に重要な点だというふうに思います。
 前半、前向きな答弁をいただきましたし、後半は中身の濃い議論ができたと思いますので、これで、少し時間残しましたけれども、終わりたいと思います。
 ありがとうございます。

○委員長(平野貞夫君) 他に御発言もないようですから、両案に対する質疑は終局したものと認めます。
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