国会質問

● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi  ● ● ● ●


■155-参-財政金融委員会-5号 2002年11月19日
○大門実紀史君 大門でございます。
 池田議員がNPO法案の発議者でありますので、NPO法の方は私の方から質問をさせていただきます。
 今日も議論ありましたけれども、要するに何が問題になっているかといいますと、私は、政府、特に財務省のNPO活動促進に対する無理解といいますか、消極性ということがいろんなことのネックになっているというふうに思います。特に欧米の政府に比べたら、私はもう恥ずかしいくらいの後進性だということを最初に指摘したいと思いますし、そういう点、ですから、昨年せっかく認定NPO法人制度できましたけれども、財務省はやっと重い腰を上げて作ったんですが、中身は非常にアリバイ的だと。取りあえず作ってみただけと。ですから、認定要件も、午前中から指摘ありましたとおり、大変厳しくなり過ぎて、実際には使えない代物になっているということです。
 昨年三月二十七日、この当委員会で我が党の池田議員が当時の宮澤大臣に、なぜこれほど厳しい要件にしたのか、するのかということを聞きましたら、要するに税金を免除することだから用心深くしているんだということを言われて、要するに税金をけちったというか、せこい判断だったというふうに思うんです。
 ところが、一年たってきましたけれども、認定されたのは何とたった九件、三千六百七十九法人のうちのたった九件と。これは午前中、小林副大臣が自分で九件ということを言いながら自ら噴き出しておられましたけれども、本当にひどい、お笑い、笑い話と言えると思います。
 ですから、さすがに財務省も少し恥ずかしくなったのか、これから検討、見直しをするという方向ですけれども、私は、どういうメニューが、幾つかメニュー挙がっていますけれども、取り上げられて、結果的にどうなるのかありますが、今の財務省の姿勢でいきますと、余り大幅な、本当に現場で頑張っておられるNPOの方々の気持ちにこたえた大幅な見直しになるとはどうも思えません。
 そういう点で、ちょうどこの時期にこの参議院で野党のNPO法案が審議されるというのは非常に意義が高い、意義深いことだというふうに思いますし、是非与党の皆さんも、この世界の流れといいますか、時代の流れをよく見ていただいて、私は、いずれこのNPO関係税制というのは野党が提案している方向に改正されていく、収れんしていくというふうに思いますので、もう先を見越して野党案に是非賛成をしてもらいたいということをまず申し上げて、質問に入りたいというふうに思います。
 現状、現行制度の問題点でありますけれども、現場で活動されているNPOの方々の声も含めて、改めてここで明らかにしておく必要があると思います。昨日も集会が開かれました。
 時間の関係で何点かに絞ってお伺いしたいと思いますが、まず、認定要件の問題点になっている、最大の問題点になっておりますが、NPOの総収入のうちの寄附金が三割以上でなければいけないと。これについて、今NPOの方々の要望、あるいはそのNPOの活動の実態との関係でどういうふうにこれがネックになっているか、さらに野党案ではこれをどういうふうにしようとしているか、まずこの点についてお伺いしたいと思います。

○委員以外の議員(吉川春子君) お答えしたいと思います。
 今もお話がありましたように、政府のNPO優遇税制ができて一年たったんですけれども、八千三百十五法人のNPOが誕生しているのに、優遇税制の適用が認定されたのは国境なき医師団などたった九法人で、〇・一%にしかすぎません。NPO団体の方も再三、この要件が余りにも厳し過ぎるので緩和すべきだということで、昨夜も星陵会館で会場を一杯にしてこの改正を求める決起集会が開かれたわけです。
 御指摘の日本版パブリックサポートテスト、つまり総収入の金額に占める寄附金総額が三分の一以上、こういうことなんですけれども、シーズというNPOの団体を総括して中心的な活動をしているところですが、そこのアンケートの結果を見ますと、九六%以上の団体がこれにパスができておりません。そして、要件緩和を求めている団体は、八割の団体が求めています。
 政府の制度は、総収入に占める寄附金の割合が三分の一という場合に、分母が総収入で分子が寄附金等で計算しますけれども、四党案では、分子は寄附金、会費、補助金の合計額としております。分母も収入額から本来業務での収入を除いた額として、多くのNPO法人がこの要件をクリアしやすくしています。さらに、最初の認定については五分の一ということで、一層要件を緩和しております。
 いずれにいたしましても、アメリカの制度を日本でもまねて導入したわけですけれども、本国のアメリカではほとんどのところがクリアできるのに日本はできないということで、今の政府の制度のようにほとんどのNPOがその条件に当てはまらないというならば、NPOを育てていくことにはならないと、このように考えて四党として対案を出しています。

○大門実紀史君 ありがとうございます。
 もう一つの問題点として、昨日の集会でも指摘されているのがいわゆる広域性要件ですね。複数の市町村で活動していなければ認定しないという部分ですけれども、私、この九件のNPOが、認定された九件のNPOがどういうところか調べてみましたら、もう全然その地域のNPOが認定されないのは分かるぐらいの結果ですね。九件のうち四件が、市町村をまたぐどころか世界をまたぐような国際協力団体になっています。うち二件は、これも市町村どころか全国をまたぐ、県をまたぐ、このレベルが二件、あともう一つは、市町村レベルというよりも全県規模で活動するところ、そういうところだけが認定されています。
 つまり、地域で介護や医療、福祉で頑張っているようなNPOはもう全然その前の段階ではじかれているということが、この九件の中身を見れば分かります。九件の中には福祉関係もありますけれども、本当に地域に密着した、介護だとかなんとかではなくて、例えばテニスウエルネス協会、大変頑張っておられると思いますが、本当に全国規模のそういうテニスを通じた障害者の方々に対するNPOという、こういうところしか今の基準だと認定されないようになっています。
 この辺は野党案ではどういうふうになっているか、ちょっとお知らせください。

○委員以外の議員(吉川春子君) 確かに、政府の優遇税制の認定にある、複数の市町村にまたがって活動するという要件ですと、クリアできないところがたくさんあります。この広域性の要件で、医療や福祉、地域密着型のNPOが排除されてしまう、こういうことになっております。
 私たちは、NPO法人としてまず認定されるときに、既に一定の公益性が判断されて法人格が与えられているわけですから、やっぱり政府が国税を優遇するんだから、一つの市町村での活動ではだめだと言っているけれども、これは全く根拠がないと考えています。それでは、納税する人にもそういう要件があるのかというと、そういうことはないわけですね。一つの市町村で営業している業者もたくさんいらっ
しゃって、国税である所得税などを納めているわけです。
 私たち四党案は、複数の市町村にまたがって活動するという、地域密着型のNPOを認定から排除するような要件は設けておりません。障害者や高齢者が会員となってNPO活動を行うのは当然のことであり、かなり多く見られるわけです。認定から共益団体が排除されることはありません。国は、その認定NPOをできるだけ少なくするために、わざとこういうハードルを高くしたとしか考えられません。国際的な舞台、大舞台で活動するNGO、NPOも増えていて、日本もそうなると思いますが、同時にこの地域密着型のNPOを排除するということは、これは今の政府の制度の不当な要件であると考えて、四党案はそれとは違う立場を取っています。

○大門実紀史君 NPOの皆さんの三つ目の強い要望になっていますのは、みなし寄附金控除のことです。これは野党案には入っております。これも現場でのNPOの皆さんの活動の中でも強い要望になっていると思いますので、その辺の具体例もあれば含めてこの趣旨を、野党案に含まれた趣旨を教えてもらいたいと思います。

○委員以外の議員(吉川春子君) そもそもNPO制度を作るときに、実は文化芸術団体の方々が、当初は税制優遇措置全く入っていなかったので強い反対の意思を表明されたわけなんですね。みなし寄附金制度の導入というのは、特に子供劇場など芸術文化の分野で活動しているNPOにとってどうしても必要な制度です。子供たちにより良い文化を安く、こういう目的で活動していても、入場料に課税されるので活動を続けるための資金繰りがもう大変で四苦八苦されています。
 みなし寄附金制度は、子供劇場などNPOの強い要望です。四党案ではこのような要望にこたえまして、NPO法人が、その収益事業に属する資産のうち、収益事業以外の事業のために支出した金額をその収益事業の寄附金とみなし、さらに所得金額の百分の五十まで損益参入できることにしています。
 分かりやすく言いますと、子供劇場などのNPO法人については、入場料などの事業収入の中から、例えば子供に本や絵本を無料で貸し出す場合のその購入費、図書館の維持費など、収益事業以外の費用に使用すれば五〇%まで損益算入される、こういうことにしております。

○委員以外の議員(吉川春子君) 最近、NPOが施行されて四年目を見てみますと、当初は月百件ぐらいのNPO法人の誕生だったんですけれども、最近は三百件というふうに非常に増えています。将来ますますこのNPO法人というのは拡大していくであろうと、そのように予測されていますが、一方その六割が、NPO法人の六割が年間収支規模一千万未満のところで、常駐スタッフのいる団体でも三人以下が四分の三ということで、スタッフの平均給与は百三十四万という過酷な状況です。
 こういうことをなくすためにも財政的な基盤が強化されることが求められていますし、特にNPOの発展ということは、日本の民主主義の基盤、平和の基盤を強くすると同時に、私は国民全体の活力を増やすことにもつながるだろうと考えております。
 そして、NPOの経済規模は十八兆円、GNP比の三・六%を担うとされておりますし、将来更にアップされることが予想されております。先進諸国のようにNPO法人が健全に発展できるような、そういう支援体制を是非作っていきたい、野党の皆さん、与党の皆さん、力を合わせて作っていきたいというふうに思います。
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